国民語が「つくられる」とき - ラオスの言語ナショナリズムとタイ語

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国民語が「つくられる」とき - ラオスの言語ナショナリズムとタイ語

  • 著者名:矢野順子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 風響社(2025/08発売)
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  • ISBN:9784894897380

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内容説明

近似する言語を持つ隣国タイ。その強大な政治・文化の磁場にさらされ続けるラオスにとって、言語の独自性は独立の証しである。国民語を創り、守り育てる現場からのレポート。

以上を踏まえた上で、本書では、ラーオ語がラオスの国民語としていかにして「つくられて」きたのか、タイ語との関係に注目しつつ明らかにしていきたい。これはまた、一つの「言語」を「つくる」ということが、いかに政治や社会・経済状況、ナショナリズムといった、本来「言語」にとって「外的」であるはずの要因によって、左右されるものであるか、ということを示す試みでもある。
本書では特に、フランス植民地時代から一九七五年の社会主義革命までの、約八十年間を考察の対象として設定し、この問いに対する答えを探っていきたい。この期間を対象とする理由は、現在のラーオ語とタイ語をめぐる諸問題の原点を知るためには、植民地支配、内戦と、国家としての「ラオス」の存在が、より不安定であったこの時期の状況を明らかにしておくことが、ぜひとも必要であると思われるからである。(本文より抜粋)

【著者】
矢野順子
2009 年、一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了。博士(学術)。
現在、東京外国語大学、上智大学非常勤講師。一橋大学大学院言語社会研究科特別研究員。
主な著書に『国民語の形成と国家建設―内戦期ラオスの言語ナショナリズム』(風響社、2013 年)などが、論文に「『ラオス国民』の形成と『武器』としてのラーオ語―パテート・ラーオの教育政策とプロパガンダを中心として」(『東南アジア歴史と文化』第 36 号、2007 年)などがある。(2014年現在)

目次

はじめに──「つくられる」国民語

一 「ラオス」の誕生──メコン川に引かれた国境線

二 ラーオ語を「つくる」──正書法をめぐって

三 ラーオ語の「歴史」──「ラーオ語族Sakun Phasa Lao」の形成

四 ラーオ語か、タイ語か──言語ナショナリズムの昂揚

おわりに

引用文献

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Nao

0
面白い。植民地時代のラオスとタイ、フランスの言語における関わりがこの薄さの本に凝縮されている。ラオス語とタイ語との接点が非常にわかりやすく、また、ラオス語がいかにして国民語となっていったかの経緯を学ぶことができた。これを機に、タイ語だけでなくラオス語もやっちゃおうかなw

kungyangyi

0
面白い。タイ語と類似するラーオ語を、いかにして国民語ラオス語にしていったかという話。小国ラオスが、隣国タイに吸収されないための国民語づくり。/田中克彦さんが紹介するKlossの論だと、Ausbauspracheの例になる。2022/04/11

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