自立からの卒業

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自立からの卒業

  • 著者名:勝山実【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 現代書館(2025/08発売)
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  • ISBN:9784768459669

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内容説明

自立にだまされるな。
支援をするなら、カネをくれ。
両親がいなくなったらどうするって?
安心してください。ひとはだれにでも寄生できる。
ひきこもり大反乱!
すいせん=栗原 康(アナキズム研究)

著者の勝山さんは1971年生まれ。高校3年生の時に不登校になり、以降、「ひきこもり」となりました。現在に至るまでの壮絶な人生は本書を読んでいただくとして、いわゆる「8050(はちまるごーまる)問題」世代のど真ん中です。勝山さんはここ数年の間に、母親(ママン)、そして父親(ダディー)を喪いました。「親亡き後のひきこもり」を生きています。
これまでも『安心ひきこもりライフ』(太田出版)などでひきこもりの生きる道を模索してきた勝山さんですが、今回のテーマはずばり、「自立」です。
2023年の内閣府調査によると、全国のひきこもりと呼ばれる人たちは140万人を超えています。これまで相当の「自立支援」を行ってきながらも、ひきこもりがなくならない、いやむしろ増加しています。そもそも140万人以上の不登校やひきこもり状態にある人たちを自立させるなんて、可能性を考えても目指すべきことなのでしょうか?
自立支援のほとんどは就労支援。でも、不登校にもひきこもりにならずに社会に出た人たちと同じスタート地点に立てるわけでも、同じ眼差しで迎えられるわけでもありません。そして結局のところ「働きたいけど働けない」と口にするようになる、そう勝山さんは書きます。
勝山さんはひきこもりを、「学校にも行かない、アルバイトもしない、ただ無条件で生きる権利が保障された世界を求める人間ストライキ」といいます。
相次いで繰り出される「自立支援」はひきこもりへの支援ではなく、「自立支援業者」の「支援」であると本質を喝破し、いのちの瀬戸際で苦しむひきこもりに、みっともなくてもいい、寄生してでも「生きよう」と呼びかける。これはひきこもりだけでなく、障害者や生活困窮者への支援とも響き合うことです。

《本書もくじより》
序 章 空想から蜂起へ
シン・ひきこもり宣言/寄生のすすめ
自立からの卒業/ご主人様研究―ひきこもり支援は誰のものか

第一章 六畳間の大宇宙
●半人前理想主義から、ゼロ人前理想主義へ
空の鳥を見よ/ゼロ人前理想主義
いのちのお金──偽善者よりお金が大事/ジリツ・スキーム

●この星で働く理由がない
俺たちゃみんなコバンザメ──99%のためのコバンザメ宣言
心の田を耕す農夫/ひきこもりなまぐさ進路相談──十五の夜
ルール/この星でどうやって生きていくか

第二章 働かない奴隷
●現実からの逃走
ひきこもりダイアリー──定本 身の上話/自己蜂起
人間ストライキ/人間バートルビー──他人にしわ寄せがいく/逃げ相撲
現実からの逃走/いつだって第一希望/レベル2の生活──ひきこもり   村の勇者

●駄々っ子人生
ひきこもり当事者からひきこもりを取ったらなにが残るのか?/ひきこ もりバカ
ひきこもりTODOリスト/コツコツ努力をする習慣/有象無象の力
ひきこもり安楽死論──にわかに語る/合理的排除──おしゃべり不死鳥
清らかなルサンチマン/この星には正義がない

第三章 ポスト8050
●ママン編―寝たきり老婆vsひきこもり
9060問題/いがみ愛/すこやかなママン/クーデター失敗かいやいいやはああはー/リアル地獄変
ヘルパーが来るとこそこそ隠れる生活/特養に申し込む
もう、おたけびは聞こえない/ママン帰る/いつもニコニコ
GO TO ホスピス/ママンロス/ママンのお葬式/愛の結晶化
ママンからの手紙/夢のかけら

●ダディー編―ファイナル・カウントダウン
リアル・シンプソンズ──六カ月前のこと
「親は死なない説」を唱え続けた、或ひきこもりの一生/いきなり最終回
決死隊突撃/決死隊再突撃/すべての契約書に印鑑を押す男
緊急家族会議/オキニとオキラ/入院できない? できる?
男の約束/ダディーロス/親が死んだ〝直後〟にどうするか
みんなド素人、みんな赤ちゃん

第四章 御用当事者
●ひきこもり三十年が生んだ「弱者の代表」
自立死援──六畳間の講演会/代表者について
組織のなかで個人としてがんばっている人について
ひきこもりに忍び寄る極右の影/御用当事者になりたいキミへ
つじつまを合わせない

第五章 パワー・トゥ・ザ・ひきこもり
●支援者にだけお金が流れる構造
ひきこもり要求論/ひきこもり基本法──悪の予防
藤里町が心配だ/ひきこもりキャリア・コンサルティング
入寮施設に入ると親子で破産する/ひきこもりファイナンシャル・プラ ンナー
ひきこもり条例について/居場所は結果論
なぜ子ども食堂なのか/誰も望んでいないひきこもりの政治参加
寝そべれば見えてくる

第六章 なにもしないをする
●アイ・アム・プーさん
オオサンショウウオ/一生勉強、一生ひきこもり
繭居大師/アリとキリギリスとひきこもり
ひきこもり文明/do Nothing なにもしないをする

あとがき

主要参考文献
出所一覧
この本をつくった人たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

明るい表通りで🎶

25
文体に品性がなく、途中までしか読めなかった。2024/12/17

FUJI燦々

7
自分の恥ずかしくて口外しないようなエピソードを赤裸々にかつまたユーモラスに記すことにかけてはこの著者ほどの方は稀有なんじゃないだろうか。モノの見方も簡単に自然に述べられているように見えながらも、その背景には深い思考と洞察が存在しているのは間違いない。私とは意見が合わないところもあったが、それ以上に考えさせられることが多く、読んでみる価値の高い本だと思う。なかでも『御用当事者』なる表現はなるほどなぁと感心した。意見も表現も鋭すぎる部分があるので読んで激怒する方も出るでしょうね。 2024/10/02

slowpass

5
落語家のような語り口。欧米のコメディアンが政治や社会の風刺をするイメージと重なる。一般に専門家でもなんでもない人がいうことは、世間からは「声」としてとらえられる。声というのは、意味や内容ではなく、身体的・動物的な五感のあらわれ。一方、専門家のいうことは声ではなく、理性的思考であり、信じるに足る現実として受け取られる。当事者や一般人の声は、専門家などの権威がそれを解釈して位置づけ、言い直してから、はじめて一般社会がまともに受けとるに値する意味内容になる。 2025/04/11

あぎる

5
問題に正面から向き合わない、不真面目な文章がダラダラと続く。おちゃらけた部分を削れば半分になるだろう。私自身もひきこもりに近い人間なので、共感できるところはある。2024/11/27

s

2
ひきこもりでいいじゃないかという本。ひきこもり支援の問題を面白おかしく解説。確かに、ひきこもりでも生きていける世の中だといいよね。社会の洗脳から逃れて生きてる貴重な存在。2024/12/07

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