内容説明
1966年、京都の若者5人が芸能界にデビュー。沢田研二は、たちまち大スターに。だが、「時代の寵児」であり続けるためには、競争に生き残らなければならない。熾烈なヒットチャート争いと賞レースを、いかに制したか。頂点を極めるまでのジュリーの全軌跡。圧巻の情報量で、歌謡曲黄金時代を描き切る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
63
島崎今日子さんの「ジュリーがいた」に続いて、中川右介さんのこの著書。何故、今ジュリーなのか。島崎さんの著書では感じることのできなかったジュリーが、ここにはありました。そして、今ジュリーなのかもわかったように思います。帯にあるように、あんたの時代はよかったのかもしれませんが、それだけでなく、ジュリーの存在がすべてなのでしょう。後にも先にもジュリーはいません。性別を超越したその存在は、子どもだった私も魅了しました。賞レースやランキングへのこだわりなど、ジュリーがいた時代をリアルに感じていた私は幸せでした。2024/02/14
ぐうぐう
42
同じ人物を扱いながらも、島崎今日子『ジュリーがいた』とは大きく趣が異なる。「本書は「沢田研二の素顔」の追求でも「芸能界の舞台裏の真実」の追求でもなく、「音楽」に魅せられた青年が魑魅魍魎跋扈する世界へ迷い込みながらも、自分を見失わずに生きていった歳月の「さまざまな場面」の表層を描く」と巻頭の「はじめに」で断っているように、従来の中川右介のアプローチで沢田研二を描こうとする。書籍や雑誌、あるいはデータから読み解かれる姿は、確かに中川が言うように表層なのだが、(つづく)2024/02/01
umeko
23
500頁を超える分厚さにもかかわらず、一気に読んだ。当時の歌謡界の裏話も面白く、様々な賞レースの結果に手に汗握りながら読んだ。面白かった。2024/03/04
五月雨みどり
12
情報量!!! ジュリーソロデビューからは、ほとんど歌謡界ヒット曲のデータベース。賞レース&紅白の曲目リスト観て、知ってる(カラオケで歌えるくらいの)曲を年ごとに数え続けた読書。そりゃあテレビ高視聴率だべ、家族全員で観たし、学校や職場やご近所では、誰がグランプリ取るか、この歌手は紅白出られるか、トリは誰かって、そりゃもう大騒ぎさ1970年代の日本はよ!2024/11/20
静かな月を見てる
12
結構な厚さの新書だけど時系列にジュリーの歩みと当時の歌謡界の変遷が丁寧に書かれていて飽きなかった。惜しむらくは生の取材としてジュリーのインタビューが載っていないことだなぁ。それがあったら最高だったのに・・・。その後のジュリー(井上堯之バンドとの決別以降)のこともたくさん知りたいので続編を希望します。2024/03/28