内容説明
ある日琴子に、リュース着物店「本庄の蔵」の店長で、年は一歳違いだが戸籍上の甥にあたる柿彦から電話があった。琴子も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという。柿彦の母・慶子によれば、まぼろしの作家といわれた杉木聡子の作品らしい。その後、柿彦が持ってきた着物を見て、琴子の体は震えた。その水浅葱色の友禅は、記憶のなかにある風景とそっくりだったのだ。養父母の愛情、友禅の謎……。織物の町・八王子が舞台、切なくも優しい記憶の物語。シリーズ第三巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
172
本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたと柿彦から琴子に電話がかかる。その手描き友禅は、幻の作家といわれた朽木聡子の作品らしい。琴子と柿彦は、琴子の過去がわかるかもと調査に乗り出すと同時に、琴子は手描き友禅の着物を壁にかけて夢を見ようして調査のヒントを見つけようとする。調査をするうちに、歌人の村瀬佳乃が朽木聡子と繋がりがあることが判明。手描き友禅が繋ぐ縁が、琴子の記憶、能力誕生の秘密がわかるのか。ミステリー小説のような展開に、ページを捲る手が止まらなかった。2025/08/27
榊原 香織
93
着物の記憶が見える琴子シリーズ3 江戸小紋。 琴子自身の謎も2026/06/30
mayu
53
シリーズ3作目。本家の物置から見つかった着物。持ち主は不明だが、その着物の柄は、琴子がみる夢の風景によく似ていた。着物の作家について知るため、着物の持ち主を探し出そうとする琴子と柿彦。これまで着物に宿る持ち主の想いを夢でみていた琴子だが、初めて自分のために、着物自体に宿る記憶を辿っていく。最後に明かされた琴子の出自。そういうことなら、琴子のもつ着物の想いをみる力も納得できる気がする。まだ隠されている繋がりがありそうで次巻が待ち遠しい。美しくも独特な世界が描かれたこの着物を実際に目にしてみたいとも思う。2025/11/19
ちいこ
36
終わり方!思わず「え~」って声が出た。続きが早く出てくれるといいな。2025/10/11
よっち
36
琴子自身も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという柿彦からの電話。そこから自身の過去や出生の秘密に向き合っていく第3弾。柿彦の母・慶子によれば幻の作家といわれた朽木聡子が作ったという着物を見て、記憶の中にある風景とそっくりな情景を垣間見る琴子。着物の由来を探る中で明らかになっていく、着物の作家本人らしき女性のこだわりと、着物を作った歌人本人が認識している事情の齟齬。それが琴子自身の過去に繋がるとは思いませんでしたが、果たしてどんな事情があったのか気になるところです…。2025/09/03
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