内容説明
ある日琴子に、リュース着物店「本庄の蔵」の店長で、年は一歳違いだが戸籍上の甥にあたる柿彦から電話があった。琴子も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという。柿彦の母・慶子によれば、まぼろしの作家といわれた杉木聡子の作品らしい。その後、柿彦が持ってきた着物を見て、琴子の体は震えた。その水浅葱色の友禅は、記憶のなかにある風景とそっくりだったのだ。養父母の愛情、友禅の謎……。織物の町・八王子が舞台、切なくも優しい記憶の物語。シリーズ第三巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
56
ほしおさんの中ではミステリアスなシリーズだと思う。本作は琴子も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという。柿彦の母・慶子によれば、まぼろしの作家といわれた朽木聡子の作品らしい。という展開なのだが、琴子の夢に出てくる風景だとか、朽木聡子の謎が不思議な世界を繰り広げる。この先も目が離せない。2025/08/18
しんごろ
34
本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたと柿彦から琴子に電話がかかる。その手描き友禅は、幻の作家といわれた朽木聡子の作品らしい。琴子と柿彦は、琴子の過去がわかるかもと調査に乗り出すと同時に、琴子は手描き友禅の着物を壁にかけて夢を見ようして調査のヒントを見つけようとする。調査をするうちに、歌人の村瀬佳乃が朽木聡子と繋がりがあることが判明。手描き友禅が繋ぐ縁が、琴子の記憶、能力誕生の秘密がわかるのか。ミステリー小説のような展開に、ページを捲る手が止まらなかった。2025/08/27
kayo
14
琴子の過去、核心に触れる回でした。表紙の丹地陽子さんの挿画が琴子の夢見る景色をふわりと表していて、時々表紙を戻って見つめながら読みました。着物に宿る持ち主の記憶を見取ることが出来る琴子が対面した不思議で独特な意匠の着物。本当にあるものならぜひ見てみたくなります。長い時間の中で記憶を宿すことは着物ならありそうって素直に思えます。普段から着物に触れて生活している方に読んでもらいたいシリーズ。2025/08/22
まみっち
3
シリーズ第三弾。本庄の家のリフォームがきっかけで物置から出てきた『手描き友禅』は今まで柿彦が持ち込んで来たものと違うと感じる琴子。夢なのか記憶なのか…元の持ち主、紹介者の想いは、そして…と、何とも続きが気になるところで終わりかっ!ほんとに次巻が待ち遠しい。本庄の家庭内不和が胃痛モノだと思う…2025/08/10
かいちゅう
2
ついに琴子自身に関係のある着物が、、、これまでとは違う「着物の夢」、知りたいとは思わなかった自身の過去を知り、これからどんな展開になっていくのでしょう。2025/08/30