内容説明
東北の寂れた街に一ヶ月間欠かさず、お菓子を供えてお詣りすると、30日目の夜、この世のものとは思えない快楽のなかで死を迎えることができる神社があるという。それを体験した男の日記がネットで拡散し、その神社は話題に。街には死を願う人たちが集まり、活気を取り戻すが……。「死神によって蘇った街」を舞台にした連作短編集。(解説/友井羊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mawaji
4
高校の同窓会で同窓生に小説家がいるということを知り、丸の内丸善で最新刊を購入。六話の物語それぞれの主人公の視点にほかの物語の登場人物たちが見え隠れしつつ地方都市の過疎化の問題や現状を浮き彫りにしながら進む展開で、うまくまとまりそうだと思ったらまたその裏があるといった流れに最後まで引き込まれながら読みました。やはり同郷なので「この神社は砂防林の奥にある大森神社っぽいな」とか「この居酒屋はかつてのメインストリートから少し外れたところにある炉ばたかナ」などと地元の風景を思い出しながらノスタルジーに浸りつつ読了。2025/10/16
宵闇やもり
1
ホラー小説と思って読み始めたんだけど、ちがった。もっと深掘りできたのではないかな、と思う。サラサラ読めた。2025/09/04
青キャスさん
0
文庫本が出たことでこの作品を知って購入。 章ごとに描かれるひとつの神社を取り巻く別々のストーリーが有機的に繋がっていて、かつ登場人物それぞれの思いがきちんと表現されていておもしろかった。 神とは、信仰とは、みたいなことが中心テーマなのかと思ったけど、SNSやネット社会の問題とか原発問題とか少子高齢化とか介護の問題とか政治とか、いろんなテーマが盛り込まれていたのも良かった。2025/08/17




