講談社学術文庫<br> 戦争と万博

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講談社学術文庫
戦争と万博

  • 著者名:椹木野衣【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 講談社(2025/08発売)
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  • ISBN:9784065404072

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内容説明

1970年大阪万博は、敗戦直後「爆心地」を目の当たりにした男の構想を起点とした。
文明の過剰と滅亡というそのビジョンを覆い隠すように謳われたスローガン「人類の進歩と調和」が響く中、メタボリズムやネオ・ダダといった前衛運動のひとつの極限として「万博芸術」が花開く──
資料と証言を積み重ね、日本で反復される万博の意味を鋭く問う。

【本文より】
技術革新に多くを負ったメディア・アートや、単純な国際性が即、芸術上での前進と取り違えられてしまう安易な進歩主義がまかりとおってしまうことの背景には、われわれが大阪万博における「未来」の問題を、正面から批評して来なかったことに原因がありはしないか。じっさい、大阪万博で芸術家たちが果たした役割がなんであったのかと問うことは、事実上、封印されているといっても過言ではない──そしてそのさまは、なにかに似てはいないだろうか。
(本書第二章「一九七〇年、大阪・千里丘陵」より、一部省略)

【本書の主な内容】
第一章 「爆心地」の建築──浅田孝と〈環境)の起源
戦争と「こどもの国」/焼け跡から「環境」へ、「環境」から未来へ/原爆時代と建築/「列島改造」と「日本沈没」
第二章 一九七〇年、大阪・千里丘陵
人類の進歩と調和/「未来」の矛盾、「世界」の矛盾/未来と夢の廃墟/フジタと太郎
第三章 「実験」から「環境」へ──万博芸術の時代
空間から環境へ──エンバイラメントの会/実験工房からインターメディアへ/巨大なトータル・シアター
第四章 ネオ・ダダとメタボリズム──暗さと明るさの反転
奇矯な明るさ/前衛の突然変異/ふたりの境界人──粟津潔と磯崎新
第五章 戦争・万博・ハルマゲドン
廃墟となった未来都市──電気的迷宮/紀元二六〇〇年の万国博覧会/ハルマゲドン・チルドレン
第六章 そこにはいつも「石」があった
月からの石と投げられた石/穴を掘る──《位相─大地》/石を置く──石子順造と李禹煥/石を売る──『無能の人』/石の時代──環境と芸術
第七章 ダダカンと“目玉の男”
一九七〇年四月二十七日へのタイムスリップ/ダダイスト糸井貫二/「震災」というダダイスム/都市を駆け抜ける裸体 
第八章 万博と戦争
映画人・甘粕正彦/バーチャル・シティとしての満洲国=大阪万博/「環境」の起源/『環境開発論』と『日本列島改造論』/曲がりくねったら、それは芸術だ 


核アトムの時代──「あとがき」にかえて
グラウンドゼロ──学術文庫版「あとがき」にかえて
主要参考文献

*本書の原本は、2005年2月に美術出版社より刊行されました。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

manabukimoto

4
令和の万博が終わりかけている時、昭和の方の万博の考察本を読む。 俄然、興味深く読んだのが、第8章。「人類の進歩と調和」という大阪万博のスローガンと、第二次大戦時における満州国建設時の「人類相愛、共存共益の理想郷」との共通点を指摘し、都市計画の実験場としての満州国と万博の共通点を指摘する。 芸術面では藤田嗣治と岡本太郎、国策美術に加担するものへの仲間はずれだったり、日本に「環境という概念を導入した浅田孝だったり。 叡智の結集が巻き起こす摩擦と創造。 大阪公立大学ライブラリー蔵書2025/10/10

がんちゃん

1
2005年に原版が出たものを大阪関西万博があと一月で閉幕というタイミングで読む。今回の万博には一切足を踏み入れていないし、行くつもりもない。1970年には12才だったが、田舎から来て一度会場に来た。見たパビリオンはアフリカの開発途上国(国名も覚えていない)一国のみで、メダルを買った覚えがあるくらい。戦前から続く流れを実現した東京オリンピックと大阪万博。直近のイベントには何の意味があるのか?今一度考えるべきかな。2025/09/13

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