ADHDの僕がグループホームを作ったら、モヤモヤに包まれた――障害者×支援=福祉??

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ADHDの僕がグループホームを作ったら、モヤモヤに包まれた――障害者×支援=福祉??

  • ISBN:9784750355238

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内容説明

「発達障害のある者」という立場で生きてきた僕がグループホームの運営に携わるようになった。両方の立場になって世の中を見てみたら、前よりたくさん「わからないこと」にぶち当たるようになった。

一人の発達障害者が“支援者”という役割も担いながら感じている疑問や不安をもとに、「障害者の権利と義務」、「障害者の支援」、そして「当事者も支援者もハッピーなあり方」に対するおもいを語り、
主治医が専門家の視点で向き合い応える。

目次

はじめに[田中康雄]
プロローグ“当事者”であり“支援者”である僕が抱える「気持ちの悪さ」
第一章 つい、“障害に甘えてしまう”僕ら
障害者が社会の一員として生きていくありようって、どんなものだろう?
・言い訳しながら生きてきた僕
水と空気と福祉と権利はタダ?!……じゃないよね。
・権利があるなら義務もある
モヤモヤ・ザワザワ 障害者×支援者のエピソード
エピソード① 「障害は切り札??」
エピソード② 「本当は自分でできるけど……」
エピソード③ 「責任を問いたいのではなく、会話がしたい」
山口×田中のキャッチトーク①
第二章 本人のものは本人のもの
失敗やつまずきだって、その人のもの。
・「ゴメン!」と心から言える僕になりたい
生き続けるために「必要なコト」を教えてほしい。
・いろんな「経験」を食べて大きくなる
モヤモヤ・ザワザワ 障害者×支援者のエピソード
エピソード④ 「失敗の実感を知らないまま……」
エピソード⑤ 「“寄り添う”とは?」
エピソード⑥ 「我が子を守る=今をやり過ごす?」
エピソード⑦ 「『ごめんなさい』を言う機会の保障」
山口×田中のキャッチトーク②
第三章 本人も支援者もハッピーでありたい!
自分が幸せになるためには、身近な他者も幸せである必要があると思う。
・支援者としての僕自身の危うさ
人同士の当たり前の関係性がそこにもあるはずだよね。
・「本人にとっての幸せ」と「周囲にとっての安全・安心」
モヤモヤ・ザワザワ 障害者×支援者のエピソード
エピソード⑧ 「答えが出ないことだってある」
エピソード⑨ 「善意とかボランティア精神とかに頼っていたら、助けてもらえるシステムがなくなっちゃう」
エピソード⑩ 「犠牲の上で成り立たせるのは苦しい」
エピソード⑪ 「当人の意思を確認・尊重するという意識そのものが抜けてしまっている違和感」
エピソード⑫ 「『本人が自分でできること』も、福祉の責任?」
山口×田中のキャッチトーク③
エピローグ 障害があるのは大変だけど、不幸ではない
おわりに[山口政佳]

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

59
【「あ~!この頭 面倒!!」と思いながら、この頭で生きているのが僕です】ADHDの著者が、グループホームの運営という“支援者”の役割も担いながら感じている疑問をもとに、「障害者の権利と義務」「当事者も支援者もハッピーなあり方」に対する思いを語る。主治医・田中康雄児童精神科医とのお喋りコーナーも収録。田中先生は、<この本は、当事者の告白本でも支援のありようの指南書でもありません。支援現場にいる当事者でもあり、支援者でもある山口さん個人が抱えている、関係性のありようへの戸惑いや揺れをテーマとしています>と。⇒2023/08/26

萩緒文葉

2
◆ADHDといっても人それぞれと思われるので1例に過ぎないのでしょうけど、それでも環境により変化していく当事者の様子を一般人から垣間見るのには、とても役立ちました。立場が人を育てるのは結局同じなんですね。役割って大事。 ◆ 属性区分では障害者なのかもしれないけれど、ゆっくり発達するという特性が顕著なだけで、その特性を克服し成長しようと諦めない当事者を障害者と呼ぶなんて、なんだか間違ってる気がしてきました。ユニークな発達過程をたどるのも、過ぎてみれば楽しいじゃないか!と万歳したい気持ちになった本です。 2024/08/25

ハナさん*

2
2023年3月31日初版第1刷。市図より。発達障害の当事者でありながら、同時に支援者でもある著者が、両方の側に立つ者ならではの思いや疑問を率直に語った、問題提起にあふれた本。著者の思いを語るパート、グループホームの現場でのエピソード(個人が特定されないフィクショナルなもの)+解説のパート、著者と元主治医との対談パートの、3つから構成されている。著者の思いを語る文章には、かなり編集者の手が入っているそうだ。それゆえなのか、発達障害当事者の内面が、非常に細密かつ、わかりやすく表現され、伝わる文章になっている。2024/02/25

Y.N

1
利用者と職員は水平な関係でなく、シーソーのような関係が望ましい2023/05/06

しゅんぺい(笑)

0
支援者のやりたい支援になっていないか、当事者も支援をしてもらって当然と思っていないか。自分もこの業界で生きてきて、幾度となく感じた違和感。そうそう、これも思ったことある!って感じで読んだ。中井久夫さんの話やっけか、現代は多くのひとが回答強迫症だっていう話はなるほどなあと思う。正解を出せないといけない、できるだけすぐにっていう感じ。わからなくていいし、外してもいいのになって個人的には思う。2023/09/06

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