内容説明
ブックススタジオのバイヤーが選んだ〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
67
タイトルそのままの“寄生”ホラーミステリ。前作をかなり忘れていて心配だったが人物紹介が前作のダイジェストでひと安心。メインの登場人物は栢原蒼空と間宵己代子ただ二人。細胞レベルで他人に乗り移り宿主の体や心を操る事ができる女・間宵己代子。しかし蒼空の体を操れずに頭の中で蒼空にうるさく語りかけ彼をげんなりさせる。この二人(一人?)は生きる為に連携して詐欺を行ったりともはや協力体制のバディ状態。そのうち蒼空以外の宿主を見つける事で二人の利害は一致、果たしてその結果は…。最後までツイストのきいた歌野さんらしい1冊。2025/08/15
aquamarine
53
「間宵の母」の続編。完全に続きでネタバレしているので前作を読む予定があるならば読んでからをお勧めする。前作はホラーミステリに分類されてもホラーの割合がかなり高かったが、こちらは設定がホラーなのに、ハードボイルドバディものを彷彿とさせるのが面白い。ところどころでゾクっとしながらも、二人のコメディのような掛け合いを楽しみ、さらに負の連鎖で家庭に恵まれなかった主人公・蒼空の変化と感情に引っ張られながら一気に読んだ。最後まで一筋縄ではいかないところが歌野さんらしい。好みはありそうだが、私は好き。続編があるかな?2025/08/10
sayuri
32
2019年に刊行された『間宵の母』の続編。約6年ぶりの続編という事で前作の内容を全く覚えていなかったが特に問題なし。暑い夏の夜は、やっぱりホラーだよねと手に取ったが、これが全く怖くない。装幀とタイトルから受けたイメージとのギャップが半端なく、良い意味で騙され、笑いながら読み進めた。他人の身体の中に入り込み、寄生虫のように宿主の体や心を思いのまま操る稀代の悪女、間宵己代子。のはずが悪女感は全くなく宿主との絡みはテンポのいい漫才のよう。帯には著者最恐のホラー・ミステリーとあるが、本作は最狂のホラー・コメディ。2025/08/09
pen
27
「間宵の母」から6年を経ての続編。前作に比べるとホラー色薄まり感が。薄まった要因は取りついた己代子と取りつかれた蒼空の「相棒」並みの一体感(笑) これは笑えました。歌野さんらしい捻りもあり、今回はオドオドすることなく読了。でも歌野さんの王道ミステリーが待ち遠しい。2025/08/11
練りようかん
12
『間宵の母』続編。若い男性に寄生して半年、完全に乗っ取ることが出来ず日常面のダッグや次のターゲットを狙うやり取りは、バディもののようなコミカルさが漂い相性良し。宿主替えに失敗し、ルールがわからぬ謎と有力寄生候補に感じたパパ活女子が展開上どう化けるのかが気になった。追い詰められる男性、今こそ間宵の知恵よと思うのに得意分野でしか発揮できず皆がウィンウィンになる計画に期待。一人の人間が寄生する/されているという前後関係の動きが興味深く、そこの活用が上手かった。予想とは違い後味は悪くなかった。2025/08/10
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