内容説明
ブックススタジオのバイヤーが選んだ〈一気読み大賞〉第1位の前作『間宵の母』の続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は寄生先を、自分に復讐しようとしていた十八歳の青年・栢原蒼空に乗り換え「生きることこそわが宿業」と、なおも生き続けようとする。著者最恐のホラー・ミステリー。書き下ろし作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
73
タイトルそのままの“寄生”ホラーミステリ。前作をかなり忘れていて心配だったが人物紹介が前作のダイジェストでひと安心。メインの登場人物は栢原蒼空と間宵己代子ただ二人。細胞レベルで他人に乗り移り宿主の体や心を操る事ができる女・間宵己代子。しかし蒼空の体を操れずに頭の中で蒼空にうるさく語りかけ彼をげんなりさせる。この二人(一人?)は生きる為に連携して詐欺を行ったりともはや協力体制のバディ状態。そのうち蒼空以外の宿主を見つける事で二人の利害は一致、果たしてその結果は…。最後までツイストのきいた歌野さんらしい1冊。2025/08/15
aquamarine
58
「間宵の母」の続編。完全に続きでネタバレしているので前作を読む予定があるならば読んでからをお勧めする。前作はホラーミステリに分類されてもホラーの割合がかなり高かったが、こちらは設定がホラーなのに、ハードボイルドバディものを彷彿とさせるのが面白い。ところどころでゾクっとしながらも、二人のコメディのような掛け合いを楽しみ、さらに負の連鎖で家庭に恵まれなかった主人公・蒼空の変化と感情に引っ張られながら一気に読んだ。最後まで一筋縄ではいかないところが歌野さんらしい。好みはありそうだが、私は好き。続編があるかな?2025/08/10
えんちゃん
51
ひーーっさしぶりの歌野晶午さん。ホラーミステリィと聞いてましたけどじわじわ笑かして貰いました。己代子(昭和18年生まれ!)の魂が頭の中に同居してしまった青年の顛末物語。子沢山結婚離婚繰り返し男との決着が鮮やか。そうでした。これが歌野晶午さんでした。前作があるけど単体で読んで大丈夫と読友さんのお墨付きの通り、これだけで十分に楽しめました。続編永遠にいけますよね。2025/09/25
さっちゃん
45
『間宵の母』続編。前作で孫娘の思考を含め身体を乗っ取った間宵己代子が、今度は自分に復讐しようとしていた18歳の青年・栢原蒼空を乗っ取ろうとするが…。/前作を殆ど覚えてなかったけれど、読みながらサイコな己代子をうっすら思い出す。今作では蒼空を完全には乗っ取れないため、己代子と蒼空との会話が夫婦漫才のよう。そのせいか怖さもヤバさ(2人の会話が独り言に聞こえるのでヤバい人に見えるが)も感じず読了。オチ(?)もコントみたいでホラー味はなかった。さすがにグイグイ読ませてくれるけれど、ちょっと物足りなかったな。2025/09/16
のりすけ
41
前作はホラー(一応)だったけど今回は「ヴェノムかい!」な展開で笑いの連続。ヴェノムほど有能じゃないのに口だけは出す、お前は口うるさいオカンか!とニコニコしながら読了。ホラーは何処へ行った。でもこういうの嫌いな方も多いんだろうなー。2025/09/06