内容説明
【昭和・光と影】
歴史は、卑怯であったものも、卑怯でなかったものも、一緒に押し包んで、昭和十六年末の新しい戦争へ向って流れ落ちて行った――卒論をもとに『思想』で論壇デビューを飾った戦前から、戦後の平和運動、安保闘争へ。政治の季節を描く自伝的昭和史。
〈解説〉品治佑吉
(目次より)
明治四十年――昭和十六年(承前)
唯物論研究会の人々
ミクロの世界へ
昭和二十一年――昭和三十五年
二十世紀研究所
平和問題談話会
「小さな人気者」
内灘へ
さまざまな空港
放心の日々
安保前夜
安保の日誌
美しい季節
あとがき
解説 品治佑吉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAGISAN
1
清水先生の『倫理学ノート』、『論文の書き方』やマックス・ウェーバーの訳書を熟読した時代がある。本書には、人間・清水幾太郎先生の知的遍歴、人間交流が赤裸々に綴られている。2025/06/11
斉藤達也
0
日本人が子供の躾ができないことを、「日本は獣の国なのであろう。」(P235)と言う。令和の日本人は自画自賛をするばかりで、このように自らを客観視することが令和の日本人には出来なくなった。しかし、氏の客観はあくまでも科学であるようだが、「経験の内容を運積志一般化する方向へ進んでいくと」、「多くの主体の共有物になる。」(P336)というが何故そうなのかは分からない。観念論と比較して実証主義はなんと大雑把な理論であることか!2025/06/25




