内容説明
82歳の父が突然ひとり暮らしに。幸い健康だが、家事がほとんどできないため、その生活に黄信号が灯る。唯一の家族である娘は、毎食の手配から大掃除までをあえてビジネスライクにサポート。それでも日々体力と記憶力が衰える父に、「ペットボトルが開けられない」などの難題が次々とふりかかる。「老人以上、介護未満」の身に何が起きるのか? その時期に必要な心構えは? 父のケアに奔走した娘が綴る、七転八倒の5年間。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ@no book, no life.
134
今話題の介護未満の独り暮らしの父親を娘が記した本書を読了。我が家はコレが母親というだけで既に通過した時点ではある。しかし、著者が冒頭に書いている通り、例外なく親の老いと比例した暮らしの綻びは、誰にでも平等にやって来るのである。その対処法を著者の様に体系的に整理・処理する事は我が家では行っていないが、可能性がある方々は一読に値する書だと思うし、売れているのもよく分かるのである。ここには具体的な補助方法と自身の感情対処法が書かれている。この後、良くなる事はなく、辛い日々が来る前夜であるという感を得た。2025/10/12
ネギっ子gen
93
【人はいきなり寝たきりになるわけではない】59歳で伴侶を失うも、娘や知人(多くは、馴染みの女性)の手を借りながら何とか暮らしてきた父親も、82歳。要介護認定には届かないが足腰と記憶力が弱って自分一人では回せなくなった生活を、“同居はせず”に支えられるか、試行錯誤した5年間の記録。<正しさを求めると、必ずどちらかが傷つくことになる。心が傷つくと、ケアはできない。されるほうも、心身共に弱ってしまう。人格が別なのだから、考え方も欲しい成果も異なる。こればかりは致し方ない。そして、これは父の人生である>と―― ⇒2025/11/25
Tenouji
88
父親の対応をしていた頃を思い出し、楽しく読ませてもらった。認知症でなくとも、80歳をこえると認知範囲が狭くなってくる様子。その分、性格や価値観が濃縮されて強く出るイメージだね。高級物好きは、わかるなぁ。幽霊靴も、私の場合は幽霊靴下だったw。著者の場合、介護者は本人だけだったみたいだけど、他の親族が関わってくると、大変さが増長する。私の場合は、目的すら整合できなかった。なんだろうね。つまるところ、今の環境変化に合わせて、自分自身を変えれなくなってるんだけど、そう考えると、会社でも起こっている現象なんだよね。2025/09/25
涼
61
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/12/post-85de15.html 読んでいて、クスッと笑える場面も多く、楽しい一冊だった。2025/12/06
さぜん
50
実父は鬼籍に入り、実母は療養病棟に寝たきり状態で入院中。介護の実働は経験していないが義父母はまさに介護未満の状況でいつ介護が始まってもおかしくない。「人はいきなり「要介護」になるわけではない。その手前が意外と長く、険しい。」介護に関しては情報収集能力が物をいう。今できる事はその日を迎える前に「知らなかった」と慌てふためく事をしないよう準備することかも。ITを駆使して自分と父親の生活を維持しようと奮闘する彼女の姿勢に共感した。物言いがサバサバしてて面白い。未読のエッセイも読んでみよう。2025/09/20




