ウェールズを知るための60章

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ウェールズを知るための60章

  • 著者名:吉賀憲夫【編著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 明石書店(2025/07発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784750348650

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内容説明

英国を構成する4つの「国」の1つウェールズ。最も早くイングランドに併合されたが独自性を保ち続け、英語と全く異なるウェールズ語を話せる若者も少なくない。アーサー王伝説のルーツを持ち、海苔を食すなど日本との意外な共通点もあるウェールズを生き生きと紹介する。

目次

まえがき
地図
Ⅰ ウェールズの風景
第1章 ウェールズ概観――海から山まで自然美にあふれる国土
第2章 カーディフ――石炭の富が作ったウェールズの首都
第3章 北ウェールズの巨城群――征服されたウェールズの象徴
第4章 忠犬・殉教者・魔術師の町――ベスゲレット、ホリウェル、カーマーゼン
第5章 観光リゾート地――水彩画家を魅了した村や『不思議の国のアリス』が誕生した町
第6章 ウェールズの祈りの場所――大聖堂から素朴なチャペルまで
第7章 マーサー・ティドヴィル――ウェールズに突然出現した製鉄業の巨大な村
第8章 ペンブルックシャー――ウェールズのリトル・イングランド
【コラム1】フィッシュガード――フランス革命軍の上陸した小さな漁村
Ⅱ 歴史
第9章 先史時代のウェールズ――様々な古代の遺跡と遺物
第10章 カーリアン――南ウェールズ支配のためのローマ軍団根拠地
第11章 サクソン人との戦い――アーサー王伝説の原点
第12章 オファの防塁――ウェールズ・イングランド国境
第13章 「ウェールズ法」――人々の法からナショナル・シンボルへ
第14章 ジェラルド・オブ・ウェールズ――イングランドとの仲介者
第15章 征服されたウェールズ――イングランド人のプリンス・オブ・ウェールズの誕生
第16章 オワイン・グリンドゥールの反乱――ウェールズの独立を目指した愛国者の蜂起
第17章 ウェールズにおける新しい信仰の波――非国教会の隆盛
第18章 巡回学校――ウェールズ民衆教育の原点
第19章 暴動と労働争議――産業化するウェールズ
第20章 民族主義の高まり――カムリ・ヴィーズ運動からプライド・カムリの活動へ
第21章 自治権回復への道――ウェールズ省からウェールズ国民議会政府へ
【コラム2】ウェールズ人の海外移住
Ⅲ ウェールズ語保存の歴史
第22章 ウェールズ語――英語とはまったく異なる言語
第23章 ウェールズ連合法――公用語になれなかったウェールズ語
第24章 ウェールズ語聖書――宗教と教育の言葉として生き残ったウェールズ語
第25章 ウェールズ教育青書の衝撃――英語習得の促進と教室でのウェールズ語禁止
第26章 ウェールズ語の教育・研究拠点――ウェールズ国立図書館と大学の設置
第27章 ウェールズ語の話者率――言語の将来への不安
第28章 ウェールズ語の法的復権――言語法の成立
【コラム3】ウェールズ人の父称と姓
Ⅳ 産業と交通
第29章 北ウェールズの鉱業――銅鉱石採掘とスレート採石
第30章 最高品質のスチーム炭と無煙炭――南ウェールズ石炭産業の繁栄
第31章 産業革命を支えたウェールズの製鉄業――マーサー・ティドヴィルの製鉄王たち
第32章 産業の爪痕――スウォンジーの銅産業公害とアベルヴァンの悲劇
第33章 運河・鉄道――ウェールズの物流システム
第34章 ウェールズの交通を支えた美しい橋――石造のアーチ橋や最新の吊橋
第35章 第2次大戦後のウェールズ――石炭産業の没落と海外企業の誘致
第36章 カーディフ港の盛衰と再開発――石炭積み出し港から高級リゾート地へ
【コラム4】蒸気機関車の発明者トレヴィシックと日本
Ⅴ 祭典と伝統
第37章 中世のアイステズヴォッド――吟唱詩人たちの就職試験?
第38章 アバガヴェニ・アイステズヴォッド――ヨーロッパ文化の源流を求めて
第39章 現代のアイステズヴォッド――新しいウェールズの総合文化祭典
第40章 セント・デイヴィッズ・デイ――いちばん大切なウェールズの祝日
第41章 ウェールズの守護聖人の祭り――宗教色を取り除いた民衆文化としての祝祭
第42章 ウェールズ旗――レッド・ドラゴンの伝統
第43章 ウェールズ女性の山高帽とガウン――民族衣裳か創作か
第44章 ブリテン島のバルドのゴルセッズ――現代に蘇った古代のドルイド
【コラム5】今に続く奇習――マリ・ルイド
Ⅵ 絵画・スポーツ・音楽・生活
第45章 ピクチャレスクなウェールズを描いた画家たち――リチャード・ウィルソンとその周辺
第46章 オーガスタス・ジョンとグウェン・ジョン――20世紀のウェールズを代表する姉弟画家
第47章 ウェールズ国立美術館――ウェールズ人美術愛好家による愛蔵品の寄贈
第48章 ラグビー――ウェールズの第2の宗教
第49章 谷間や採石場に響く歌声――ウェールズ人と合唱の伝統
第50章 ウェールズの食――カウル、ラーヴァーブレッド、ウェルシュラビット、バラブリスなど
第51章 ウェールズ人会――結束するロンドンや各地のウェールズ人
第52章 映画に見るウェールズらしさ――『わが谷は緑なりき』と『ウェールズの山』を中心に
【コラム6】ウェールズの著名な歌手と映画スター
Ⅶ 伝説・文学・地誌・学術
第53章 水没伝説――海底に沈む町、湖底に沈む村
第54章 マビノギオン――ウェールズの幻想的な中世物語集
第55章 2つの言語による文学――ウェールズにおけるウェールズ語文学と英語文学の伝統
第56章 トゥム・オール・ナントのインタールード――ウェールズにおける道徳劇の伝統
第57章 ウィリアム・ウィリアムズとアン・グリフィス――ウェールズの卓越した讃美歌作者たち
第58章 ディラン・トマスとR・S・トマス――20世紀のウェールズを代表する英語詩人
第59章 3つのウェールズ旅行記――聖職者、動物学者、小説家の見たウェールズ
第60章 ケルト学に寄与したウェールズ人――オックスフォードの「リトル・ウェールズ」
【コラム7】マドック伝説――ウェールズ人によるアメリカ大陸発見説の顛末
ウェールズをもっと知るためのブックガイド
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編著者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

158
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。エリア・スタディーズシリーズ4作目です。ウェールズは、イギリスを構成する連合王国の1国だとは知っていますが、それ以外の知識は皆無でした。他の国に比べると地味な存在で、あまり魅力を感じなかったので、ウェールズを旅することはないと思います。2019/09/05

コットン

69
ウェールズというとイギリスの一地方との認識しかなかったけれどこの本でウェールズ語や独特の歴史や文化・観光などが各専門家によって語られていて好印象。巻末には参考のガイドブックも載っている。2024/03/20

Koning

32
インターネットの黎明期と言っていい時代からウェールズ紹介サイトをやってらした吉賀憲夫さんの編著という形で岩瀬ひさみ、太田直也、太田美智子、梶本元信、小池剛史、永井一郎、久木尚志、平田雅博、廣野史子、松山明子、森野聡子の各氏の共著でウェールズをほぼ満遍なく紹介。ただ、A5版300ページの書籍で語るにはどの項目も入り口だけと言って過言ではないので、巻末のブックガイドを参考に興味のある点を掘り下げると色々と楽しいと思います。流石に留学したり生活しつつ肌でウェールズを感じてきた人たちの記事は面白いすねぇ。2019/09/13

24
ウェールズの歴史はローマ、サクソン、イングランドとの闘いと征服の歴史。それでも不断の努力により、今でもウェールズ人の20%がウェールズ語を話せるのだという。1800年代は学校でウェールズ語を話しているのが見つかると青い罰札をもたされ、週末にはその数だけ鞭うたれる。言葉を取り上げるのはダメだわ。海苔をゆでてオートミールと煮て佃煮みたいにしてパンに載せてたべるラーヴァーブレッド。そういや子どもの頃、バタートーストにごはんですよのっけて食べてたわ。ウェールズのみなさんにも海藻分解する酵素がいるんじゃろか。2023/02/13

洋書好きな読書モンガー

18
(1)13世紀の大サウェリンについて(2)孫のサウェリンの対イングランド反乱(3)ウェールズがなぜ国として残って無いか(4)なぜウェールズ語は残っているのかなどウェールズについての疑問に答えてくれた。近世の石炭産業、製鉄業などウェールズの英国で果たした役割、ウェールズの名所など知る事が出来た。この手の本はすぐ内容が古くなるがこのシリーズの別の国の物は第三版、第四版と更新されているので良いシリーズかも。2025/04/24

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