ベラルーシを知るための50章

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ベラルーシを知るための50章

  • ISBN:9784750345499

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内容説明

古来、周辺の強国の版図に組み込まれ、とくにロシアとポーランドに交互に支配されてきたベラルーシの地。1991年のソ連解体に伴い初めて独立国となった、東スラブ系のベラルーシ民族を主体とした新興国ベラルーシ共和国を紹介する。

目次

はじめに
Ⅰ ベラルーシの国土と歴史
第1章 ベラルーシという国のあらましとその国土――欧州の中心の平坦な国
第2章 古ルーシ諸公国とリトアニア大公国――スラヴとバルトの混交域
【コラム1】最新科学で探るベラルーシ人のルーツ――Y染色体とミトコンドリアDNA
第3章 ポーランド・リトアニア国家のもとで――「両国民の共和国」の時代
【コラム2】エフロシニヤとスコリナ――ベラルーシ文化の偉人たち
第4章 帝政ロシア時代のベラルーシ――ポーランドとロシアの狭間で
第5章 ベラルーシ共和国が誕生するまで――苦難と逆説に満ちた独立への歩み
第6章 ソ連終焉の地となったベロヴェージの森――スラヴ3首脳による歴史的な陰謀
第7章 〈白〉ロシアとは何か?――「ベラルーシ」の語源について
第8章 ベラルーシとユダヤ人の知られざる関係――「森と湖の国」から「砂漠の国」へ
【コラム3】ベラルーシのタタール人
第9章 シャガールと永遠の故郷ヴィテプスク――シャガール芸術の普遍性
第10章 ベラルーシ出身のユダヤ人がアメリカ音楽を作った――バーリンとチェス兄弟の物語
第11章 首都ミンスクの歴史と現在――戦災から甦った英雄都市
第12章 個性豊かなベラルーシの地方都市――人口5万人以上の都市をすべて紹介
【コラム4】ベラルーシの都市紋章の世界
第13章 ミール城とネスヴィジ宮殿――ベラルーシが誇る世界文化遺産
第14章 ベロヴェージの森とバイソン――絶滅危惧種とベラルーシ人のアイデンティティ
【コラム5】多様なベラルーシに出会う旅
Ⅱ ベラルーシの国民・文化を知る
第15章 土地の人間(トゥテイシヤ)の曖昧なアイデンティティ――ベラルーシ人ってだれ?
第16章 ベラルーシ語の言語学的特徴――東スラヴ語群の一言語として
【コラム6】ルカシェンコ、それともルカシェンカ?――ベラルーシ人の名前
第17章 現代ベラルーシの社会言語事情――危機に立たされるベラルーシ語
【コラム7】ベラルーシ語の市民講座――草の根の言語復興活動
第18章 ベラルーシの民衆文化――古拙と異教文化
第19章 ベラルーシの宗教事情――ロシア正教とカトリックが共存
第20章 ポレシエの民とその言葉――ベラルーシとウクライナの狭間で
第21章 ベラルーシ語とその他の言語の文学――ひとつなぎに語れない文学史
第22章 ノーベル賞作家アレクシエーヴィチの文学の世界――戦争・原発事故・社会主義
第23章 映画で見るベラルーシ――パルチザン映画だけじゃない
第24章 ベラルーシのバレエ文化――芸術性と民族性を兼ね備える
第25章 ベラルーシの若者文化――伝統の中に新しい流行が生まれる
第26章 ベラルーシの食文化――大地の恵みと歴史に育まれた家庭の味
第27章 小国でも存在感を発揮するベラルーシのスポーツ――アイスホッケーやバイアスロンが国技
【コラム8】プロサッカー選手としてベラルーシでプレーした経験
第28章 世界的な美人の名産地――シャラポワを産んだ美女大国
第29章 ベラルーシのファッション事情――伝統的スタイルと現代的スタイル
第30章 首都ミンスクの日常生活――変化する「ソ連的な街」
Ⅲ 現代ベラルーシの政治・経済事情
第31章 国旗・国章・国歌から見えてくるベラルーシの国情――ソ連の名残をとどめる
第32章 アレクサンドル・ルカシェンコの肖像――「欧州最後の独裁者」と呼ばれて
第33章 ルカシェンコ政権下のベラルーシ――政治体制の形成プロセス
第34章 ベラルーシの軍事力――独立と対露関係の狭間
【コラム9】元祖KGB国家のベラルーシ
第35章 ベラルーシ経済の軌跡――表面的な安定と成長の陰で
第36章 製造業立国のベラルーシ――勤勉でまじめなモノづくりへの姿勢
第37章 エネルギー政策のジレンマ――脱ロシア依存が永遠のテーマ
第38章 ベラルーシの農業と食品産業――ジャガイモと乳製品が名産
第39章 様々な指標から読み解くベラルーシ社会――物価・飲酒・離婚
第40章 ソフト開発の拠点として台頭するベラルーシ――戦車ゲームが全世界でヒット
第41章 チェルノブイリ原発事故――ベラルーシ国土の22%が汚染地域
第42章 ベラルーシとロシア・ウクライナの関係――東スラヴ3兄弟の関係力学
【コラム10】ベラルーシのなかのロシア――地図に残された一粒の滴が語る歴史
第43章 対立から和解に向かうベラルーシと欧米の関係――EUは制裁を解除
第44章 ポーランドから見たベラルーシ――ロシアと欧州の間で外交関係を模索する両国
第45章 ベラルーシとバルト三国の関係――リトアニアとの関係が特に密接
Ⅳ 日本とベラルーシの関係
第46章 ベラルーシ出身の初代駐日ロシア領事ゴシケーヴィチ――その生涯と晩年の地を訪ねて
第47章 日本とベラルーシの二国間関係――外交と経済関係
第48章 仙台市とミンスク市の交流の軌跡――姉妹都市提携に至る経緯とこれまでの交流実績
第49章 日本とベラルーシの文化交流――日本文化情報センターの取り組み
【コラム11】ベラルーシにおける武道
第50章 チェルノブイリ支援を通じた日本とベラルーシの絆――被爆国としての草の根支援
おわりに
ベラルーシを知るための参考文献
地名・人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ずっきん

77
周辺諸国との関係、EUとの対立構図が知りたくて。歴史、産業経済、文化とバランスよい書籍。2015年くらいまでの情報なので、ここから5年の動向を知りたいけど、ベラルーシを単独で扱った書籍は無いもよう。2020/07/29

榊原 香織

73
チェルノブイリ(ウクライナ)放射能の一番の被害地、ポレシエ地域。 シャガール、アレクシエーヴィチ、ゴシケーヴィチ(初代日本領事)の出身地。  ロシアのアネクドート:釘の突き出た椅子に座らせる実験、ロシア人;怒って椅子を蹴飛ばして出ていく。ウクライナ人;びっくりしたが釘をこっそり持ち帰る。ベラルーシ人;腰を浮かせるが、必要なら仕方ない、とまた腰掛ける。 そんな民族性らしく 2017年刊2022/03/28

紙狸

12
2017年刊行。反政府運動が盛り上がっているので、この国について勉強しようと読んだ。特に、言語についての疑問が解消された。ベラルーシ語とロシア語が共に公用語。全国民の70%が家庭ではロシア語を使っている。ほとんどの人は両方の言葉を理解する。ベラルーシでは反ロシア感情は弱いという情報に接したが、言語面でもロシアと近い。ノーベル文学賞を受けたベラルーシの作家、アレクシエーヴィチさんの作品もロシア語。ロシア、ウクライナと違い、ユダヤ人虐殺(ポグロム)がなかったという。テニス選手シャラポワは両親がベラルーシ出身。2020/08/28

ブルーツ・リー

5
ウクライナ研究のための1冊。 ベラルーシは、新しい国。中世に大公領だった事はあるものの、国として独立した形を成したのは、ソ連崩壊後が初めてと言っていい状態で、更にその後もロシアと経済的、文化的、民族的な結びつきが強い状態が継続されていて、これでは、ロシアがウクライナに侵攻しようと思ったら、通しちゃうだろうな、と、思ってしまった。 文化的にはバレエが一流だとか文学ではノーベル文学賞だとか、健闘しているだけに、政治の面で、ロシアの属国のような状況から、抜け出す事ができるのか、今後に注目したい。2022/04/02

れなち

5
「ロシアよりもソ連らしい」というベラルーシ。隣国の影響を受けに受けてきた歴史を持ちながら、どこかナショナリズム的な運動に冷めた国民性が印象的でした。ルーツを同じくするウクライナとは対照的。独裁者ルカシェンコ、ちょっと執筆陣にイジられているような…笑2022/02/12

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