トルコを知るための53章

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トルコを知るための53章

  • ISBN:9784750335711

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内容説明

ヒッタイト誕生からアレクサンドロスの東征、イスラム圏の浸透、オスマン帝国の興亡、共和国による世俗主義の選択、EUとアジアをつなぐ現在まで、アナトリアの歴史は波乱に富みながらも多彩な文化をたたえてきた。その歴史と文化、政治、経済を1冊に凝縮。

目次

はじめに
トルコの地図
I 古代トルコを掘る/撮る
第1章 東西文明の接点――国境があって国境のないアナトリア高原
第2章 古代都市の遺跡群――考古学者だけが世界的発見をしているわけではない
第3章 アナトリア文明博物館から――土着宗教と一神教にみるアナトリア
【コラム1】アナトリア高原の遺跡と発掘者
第4章 民族のアイデンティティーを求めて――アタテュルクとトルコ歴史協会
第5章 シュリーマンの幻想とオズギュッチの直感――「プリアモスの財宝」と世界最古の商業都市
第6章 和平条約と粘土板が物語ること――ヒッタイト帝国の都ボアズキョイ
【コラム2】ヒッタイトの造形美術
【コラム3】カマン・カレホユック遺跡
第7章 リュディア王国――ヘロドトス『歴史』が残した世界
第8章 アレクサンドロス大王――アジア制覇の足跡をたずねて
II オスマン帝国の興隆
第9章 神々の世界から、一神教の世界へ――アナトリアのキリスト教化とイスラム化
第10章 コンスタンティノープルの征服――東地中海世界、再編成へ
第11章 「トルコ」支配に抗したバルカンの英雄たち――史実と伝説のはざまで
第12章 レオナルド・ダ・ヴィンチの金角湾架橋プロジェクト――ルネサンス芸術家の「パトロン」? オスマン宮廷
【コラム4】トルコの伝統芸術を守った二人の恩人
第13章 「壮麗王」スレイマン1世が残したもの――不動の帝国への礎
第14章 華麗な宮廷文学の世界――イラン文化へのあこがれ
第15章 トルコ・イスラム美術の性格――トルコ美術の多様性
【コラム5】語り継ぐ遊牧民の技――ヤージュ・ベディルのじゅうたん
第16章 メヴレヴィー教団――オスマン帝国の音楽発展に果たした役割
【コラム6】オスマン帝国の軍楽隊――メフテル
第17章 イスタンブルのモスク――ビザンツ文化の遺産を受け継いで
第18章 イスタンブルからヨーロッパへ伝わったコーヒーハウス文化――モリエールはなぜ『町人貴族』を書いたか?
第19章 オスマン帝国とユダヤ教徒――スペインから追放されたユダヤ教徒
III 帝国の改革と社会の変容
第20章 西洋化の嚆矢チューリップ時代――国情を反映した花
第21章 小説『モンテクリスト伯』のモデルは誰か?――18~19世紀前半のオスマン帝国における地方勢力の台頭
第22章 異教徒のスルタン――帝国の改革と東方問題の発生
第23章 サライェヴォ事件への道――柔軟な共存が外から引き裂かれて
第24章 世紀末イスタンブルの歌姫たち――アルメニア人問題の陰で
第25章 エルトゥールル号事件――山田寅次郎と国交樹立
【コラム7】敗軍の将は名を残さず
第26章 トルコの任侠無頼エフェ、ゼイベキたち――「近代化」の割を食った人びと
第27章 「国父」アタテュルク――いまなお「永遠なる」指導者
第28章 世界最古の文明を築いたトルコ人!――国民国家統合のイデオロギー
IV 生活と文化、多彩な系譜
第29章 トルコ人の価値観――人と社会の底流にあるイスラム
第30章 イスラムと食文化――しかし、酒も飲める
第31章 実践的、自薦的食べ物ガイド――美食の国を楽しむ方法
第32章 屋根付市場グランドバザール――世界の物産が集う場所
第33章 生活の中の音楽――人びとの歌、トルコ民謡
第34章 トルコに西洋音楽は根づいたか――現代トルコの西洋音楽事情
【コラム8】現代トルコの演奏家――海外で活躍するアーティストたち
第35章 トルコ文学の多彩な系譜――ノーベル文学賞から語り物まで
第36章 「ケナル・マハレ」の生活――都市と農村のはざまで
第37章 アレヴィー――変貌する「宗教的」マイノリティ
第38章 トルコにおけるエスニック・グループ――クルド人を中心に
第39章 スカーフを被る女性、被らない女性――トルコのジレンマ
V 激動の政治経済と国際関係
第40章 トルコでのビジネス事情――日系企業ビジネスマンの観点から
【コラム9】もてなし好きで見栄っ張りなトルコ人
第41章 トルコ経済、激変の10年――リスク大国からの変貌
第42章 トルコ経済のしくみ――財閥主導の幅広い産業構造
第43章 トルコ現代政治の流れをつかむ――中東の民主化を考えるために
第44章 国家の規範としての世俗主義と絶対不可分――絶対の原則にも変化の波
第45章 公正・発展党政権のいまを読む――「穏健なイスラム」は成り立つか?
【コラム10】one minuite! one minuite!
第46章 強力な軍と政治――イスラム主義への最後の抵抗勢力
第47章 トルコのマスメディア――言論の自由とタブーのはざまで
第48章 国際関係――未完のEU加盟
第49章 エルドアン政権のEUへのスタンス――もはや「憧れ」はない
第50章 ヨーロッパで出会うトルコ人――トルコ人のヨーロッパ
第51章 トルコとアフガニスタン復興――その意外で深い関係
第52章 日本とトルコ――21世紀の新たな友好への展望
【コラム11】 在日トルコ人からみた日本―トルコ人にトルコを語る国
第53章 東日本大震災と在日トルコ人による支援――被災時に強まる両国民の絆
おわりに――「文明の十字路」のいま
「トルコ」をもっと知るための参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

お抹茶

2
文化面の記述が多い。ヒッタイト帝国時代以降前8世紀半ばまでアナトリアは「暗黒時代」とされていたが,かなり高度の文化を持ち合わせいた時代であることがわかった。オスマン帝国とサファヴィー朝の政治的なライバル関係は16~18世紀まで続いたが,文化面ではイランとイスラムへの憧れが顕著だった。ムスタファ・ケマルは個人崇拝と一党独裁体制に支えられて,世俗主義やトルコ国民主義を体制原理とするトルコ共和国の基礎を築いた。トルコ人は勤勉で親しみ深いが自尊心は非常に強い。パキスタンとアフガニスタンとは歴史的友好関係が続く。2018/08/27

Sobbit

2
意外だったこと☞ケマル・アタチュルクがアナトリア文明博物館でヒッタイトの展示を希望するように考古学に対して造詣が深かったこと。トルコの遺跡群の話を読むとシュリーマンの古代への情熱を読まなきゃなぁという気にさせられる。読まないけど…。トルコ関係ないけど、アレクサンドロス大王がイラン国教のゾロアスター教徒を虐殺してるのでイランでは大王はタブーなんだとか。ギリシャの独立運動の時のトルコ軍を批判するためにドラクロワが妄想でヒオス島の虐殺描いたのも意外だった。妄想かよ2020/09/07

fantamys

2
トルコの歴史と文化と人となり。愛を感じる。2017/08/09

tsukamg

2
歴史、社会、経済、文化、様々な点から書かれた、トルコ共和国の入門書。ムスリムで世俗主義。軍が世俗主義の守護者。日本から見ると鏡の国だ。そっくりなのに真逆。2016/11/13

pluton

2
トルコ人は人なつこく、自尊心が高く、日本人に友好的。イスラム的な家族観があり、家族の絆が強く個人主義的な部分は弱い。弱者は放っておかない社会的な雰囲気がある。 ギリシャを退けオスマン帝国に変わって建国されたトルコはヨーロッパ的な世俗国家を目指していたが、奔放な恋愛・性交渉、厳格な個人主義などの文化にはなじめず、近年ではイスラム主義が隆盛し支持を集めている。しかし世俗国家としての原則は微妙なバランスの上に守られている。 Wikipediaなどでは難しい、情報の横の繋がりが理解の助けになっている。

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