内容説明
文明開化に華やぐ都も、一歩路地裏に入れば貧困の吹き溜まり。没落武家の跡取り娘・四方津明子も上京したものの職探しは難航していた。そんなある日、明子は渡来した西洋のあやかし“洋怪”に襲われてしまう。持ち前の武術で応戦すると、偶然居合わせた降魔師である華族の等持院治尊から、政府の内務省に属する洋怪を取り締まる“妖務課”にスカウトされる。おまけに居候するため、治尊の妻と偽り…?
「いいでしょう。結婚しましょう」
明子は決然として答えた。契りは契りでも、生きぬく糧を得るための契約なのだ。喜んで、受けて立ってみせる。いかなる艱難辛苦も、きっと乗り越えてみせよう。(本文より)
武士の娘たるもの、結婚もあやかし退治もやると決めたら堂々と。明治の世に「洋怪」退魔の夫婦あり!
目次
序章 英吉利より黒妖犬来る
第一章 埃及より木乃伊男来る
第二章 希臘より天馬来る
第三章 独逸より吸血鬼来る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
5
面白かった!明子がただ強いだけの脳筋ではなく、色々なことを自分の目で見て判断していたのも良かった。明子にベタ惚れの夫、治尊や一癖も二癖もありそうな上司&西洋怪もいて楽しい。続きが出るといいな。2025/09/07
桜城誠
3
とても良かった。幕末から明治の世、論語やら兵法やらの描写が細かくて物語の土台がしっかりしている感じがしました。こなみ。明子が武士ということもあり、前向きでやや脳筋な所が可愛く、応援出来るキャラ造形。是非続きが読みたいです。2025/07/30
アリス
1
面白かった。 続きが読みたい。2025/09/04