内容説明
「宇宙人を殺すのはなんの犯罪にもあたらねえんだよ」
人間社会に溶け込み、悪事を働いている宇宙人を駆除すれば一晩で15万円。簡単なお仕事だといわれ、人生に行き詰った三浦馬連と山井孝直は宇宙人の隠れ家をタタきに向かう。合法ドラッグ、裏切りの裏切り……人はみんな思い込みで生まれて、勘違いで死んでいく。
日本語ドーピングの新鋭が描く、この世界の不条理=馬鹿馬鹿しさ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さちこ
38
悪い中では一番良いんだって。2025/08/17
かおり
10
16歳の馬連(ばれん)が涙ぐましく徹底的に馬鹿に徹している。 過酷な環境で生きていくのに(自身ではそう思っていないのかもしれないが)馬鹿になる選択をしているよう。弟の名前は紫明(しあが)…そんな家庭環境で、弟と妹を思う心優しい兄、馬連。 ラスト数ページで種明かし(と本人は思っていないだろうけど)してしまう馬連。読者である私は爽快で悲しい気分。相棒の山井にも気を使う優しい馬連。 2人はこれからも宇宙人を殺し続けるのだろうか?どちらにしてもろくな未来が待っていないのが辛い。
ネック
7
前作より読みやすかった! 闇バイトっぽい仕事をする未成年の2人が悪戦苦闘するのが分かりやすかったのかも。 2人のボスがカッコイイのも良いですね。2025/07/18
📖®🍵
6
頭が悪いことは罪なのか、賢いから偉いのか、頭が悪いことを隠し通せるから賢いのか……。主人公の母親は間違いなく頭が悪いタイプの人なんだろうなぁ、と。(笑)ネーミングセンスに脱帽。 ただ主人公は頭が悪いからこそ切り抜けているし安定を掴みつつある。そんな彼は賢いのでは……? 相棒とも呼べる男は賢いが故にあの立場になり、結果として頭が悪いのではないだろうか……。 反社会的な世界で闇バイトっぽさを含みつつアクションや擬似的なSF要素もあり、物凄く面白かった!2025/07/18
keisuke
5
献鹿狸太朗の新刊なんて読みたいに決まっている。「頭がわるくて悪くて悪い」というタイトルからもう香ばしくて最高。『宇宙人を殺すのは犯罪にもあたらねえんだよ』というコピー。「みんなを嫌いマン」のように宇宙人的な存在が出るのかと思いきや、タイトル通り「頭がわるくて悪くて悪い」人たちの、完全にアウトな行い。誰も、何も救われなくて、わざわざ出てきた弟妹もその後がわからず、頭が悪いまま。最高としか言いようがないけど、本当に合わない人には全く合わない。兄弟の名前も頭が悪い。 2025/07/16