内容説明
あの家のわらしは、膨れで死ぬぞ。
――P集落に暮らす姉を訪ねた「私」が、土地神《べら》を祀る小さな社に毎日お参りをする姉の様子がおかしいことに気づく「べらの社」。山から集落におりてくる”人ならざるもの”を描いた「うず山の猿」「がんべの兄弟」。尊い《まる》の声を聞くためだけに、幼い子供が山の社にひとり閉じ込められる奇妙な因習「まるの童子」。さらに「密室の獣」「天神がえり」「拡散にいたる病」を加えた7編からなる連作短編集。
話題の伏線回収ホラー『撮ってはいけない家』著者の最新作。
今、振り向いてはいけない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
112
怖気、吐き気の一冊。P集落にはびこる因習を軸に描いた七編のホラー連作短編集。一話目からとにかく静かな怖気がまとわりついてくる感じ。そこから一話進むごとに吐き気まで加わってくるのにはやられた。「うず山の猿」はちょっと勘弁。まずT字剃刀で…え、もう、この時点で吐きそう。一番因習の絡みと酷さが感じられたのは「まるの童子」。"がんべ"といい、こんな因習がどこかにひっそりあってもおかしくないんじゃ…と思ってしまう。どれもモヤモヤとしたものが残るのも気持ち悪い。矢樹さんがまさかここまでおぞましいものを描くとは。ヒッ。2025/08/04
ごみごみ
55
表紙の不気味さに慄き、恐る恐るページを捲った先にあったのは・・青森のP集落に関わる因習ホラー連作短編集。「ベラの社」にはゾワリとした寒気を感じ、「うず山の猿」には強烈な吐き気を催し、「がんべの兄弟」ではまともな思考が停止、「まるの童子」で涙がとめどなく溢れ出す。感情をコントロール出来ず、恐怖の連鎖に取り込まれそうになる。亀の刺青をした男は今、どこで何を?「拡散に至る病」その存在から無理やり目を背け、封印するように本を閉じた。2025/07/28
さっちゃん
45
Kindle版『或る集落の●』を『P集落の話』べらの社・うず山の猿・がんべの兄弟・まるの童子として、新たに『密室の獣』『天神がえり』『拡散にいたる病』を収録した因習ホラー短編集。/『天神がえり』以外は再読だったが、すっかり内容を忘れていたため何ともいえない気持ち悪さと怖さに二の腕に盛大に鳥肌が…。少しリンクする部分に気付くとゾワゾワして、見えそうで見えない部分を想像してはまたゾワゾワ。ネタバレ回避で詳しく書けないけれど、おぞましくて不気味な因習ホラーは夏にピッタリ。2025/07/16
のりすけ
43
ホラー大好きな私が今年読んだホラーの中でも上位に位置する面白さ。これだよ、これ!と一気読み。別々の話かと思っていたら少しずつ繋がって行く快感ったら。「発見、お前はそこにいたのかっ」みたいな。時系列が割とバラバラだったりするので、何度か読み返した方がいいのかも。「拡散に至る病」は非常に不気味で気色の悪い一作。「私はサプリを信じない!」から飲まないと思います( ー`дー´)キリッ!矢樹さんは短編の方が面白いかな。2025/08/12
ゆのん
41
短編集かと思いきや、どうやら話は繋がっているようだ。 『亀の刺青の男』や、やたらと『腸』に触れてくるところなど…。1話から語られていたのはラジオへの投稿??拡散されているものと、目的は?『がんべ』や『まる』とは??うーん…難しくてもやもや感が残る。それでもそれぞれの物語は怖いし、嫌悪感も抱かせる。グロい描写もあってしっかりとホラーだ。とにかく、『村』や『集落』は危険。絶対に行きたくない。もう行くだけでフラグ立つから。この物語はフィクションだが(本当に?)何処かの集落にありそうと思えてしまうのも怖い。2025/04/02
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