内容説明
現代英国を代表するミステリ作家にして愛好家マーティン・エドワーズが、英国探偵小説の一時代を築いた巨匠たちの名品から精選した「本」にまつわるミステリ傑作選。毒を盛られた愛書家が、死の直前に蔵書に書き残したアンダーラインの真相。売れっ子作家の妻を殺したい男が仕掛けるアリバイトリック。編集者が作家クリスチアナ・ブランドに宛てた原稿依頼書を誤って受け取った女性による奇妙な犯罪の顛末……。犯人当てからクライムストーリイ、〈奇妙な味〉からショートショートまで、様々なバリエーションで本好きに捧げる十六のミステリ!/【目次】序=マーティン・エドワーズ/作家に授ける殺人講義=G・D・H&M・コール/救いの天使=E・C・ベントリー/暗殺者クラブ=ニコラス・ブレイク/メガテリウム・クラブの奇妙な盗難事件=S・C・ロバーツ/殺意の家=フィリップ・マクドナルド/荒っぽいゲーム=A・A・ミルン/本の中の手がかり=ジュリアン・シモンズ/ある原稿=グラディス・ミッチェル/ある男とその姑=ロイ・ヴィカーズ/灰色の幽霊=マイケル・イネス/拝啓、編集者様=クリスチアナ・ブランド/あらかじめの殺人=マージョリー・ブレムナー/性格(キャラクター)の問題=ヴィクター・カニング/名誉の書=ジョン・クリーシー/きみが執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ=エドマンド・クリスピン/章と節=ナイオ・マーシュ/解説=小山正
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
27
「本」をテーマにしたミステリアンソロジー。なかなか粒ぞろいで楽しめました。「君が執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ」は題名に驚いたけど内容がまさにこの通りで。「ある男とその姑」はミステリ的展開より人物造形が面白くて、そちらに引き込まれた。どうなってしまうか最後まで引っ張られた「拝啓、編集者様」などが特に良かったです。おすすめ。2025/10/21
geshi
25
クリスチアナ・ブランド『拝啓、編集者様』アンソロジー執筆依頼の手紙の誤配層が殺人を引き起こす設定に作者の暗黒微笑が見え、オチの切れ味も見事。フィリップ・マクドナルド『殺意の家』読者に殺意を予想させ疑惑を募らせていく書き方が一級品。ラストで傍にいた犬を持ってくるのも良い。ロイ・ヴィガーズ『ある男とその姑』犯人サイドに振った倒叙ミステリとして動機が生まれるまでの描きが丁寧。エドマンド・クリスピン『きみが執筆で~』追い込まれる作家の執拗さが妙にリアル。挟まる作中作がいい味を加えてくれる。2025/10/03
翠埜もぐら
25
最近創元社さんが古い推理小説や恐怖小説のアンソロジーを次々出してくれるのはうれしい限り。正直知らない作家さんばかりだけれど短編集なのでサクッと読めて楽しかったです。今回私にとっての目玉はナイオ・マーシュのアレン警部物の短編。アレン警部物の短編は3作しかなく、マーシュの短編集の翻訳もないので英語力皆無の私としては、東京創元社さん国書刊行会さん論創社さんが頼りです。未翻訳も沢山あるし頑張ってほしいわぁ。2025/09/30
スイ
20
ビブリオミステリというのは、本が手がかりだったり動機に関わっていたりするものだと思っていたのだけど、定義はもう少し広いらしい。 どれも面白かった、特にクリスチアナ・ブランドの「拝啓、編集者様」と、フィリップ・マクドナルド「殺意の家」が好み。2025/12/22
阿部義彦
19
創元推理文庫でたばかり、8月の新刊です。自分的には看板に偽りありかなー、とも思った。てっきり古書や本がキーポイントとなるアンソロジーかな、と思ったら本絡みの範囲が広く、小説家が犯す殺人や編集者絡みのもの、叙述トリック(これは許せる)など、本が主格の物語では純粋にでは無いのですね。日本ならビブリオマニア受けのアンソロジー日下三蔵さんあたりやってくれたらなーとか、まあお国柄の問題か?かと言って詰まらなくは全然なかったです、アリバイ崩しのトリックとして、偶然同じ本が取り違えられる「ある男とその姑」が最高!2025/09/18




