講談社学術文庫<br> プラトンと反遠近法

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講談社学術文庫
プラトンと反遠近法

  • 著者名:神崎繁【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 講談社(2025/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065403402

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内容説明

三次元の立体を二次元の平面のうちに表現する遠近法。プラトンはこの遠近法を嫌ったという――しかし古代ギリシアでは遠近法はいまだ成立していなかったとしたら? なぜ、このような奇妙な事態が出来したのか。そして光学に対する偉大な哲学者の沈黙は、後世にどのような影響を与えたのか。遠近法は歴史的産物であると喝破する著者が、古代ギリシアから近代に至るまで、美術はもちろん数学、哲学、文学をも織り込みながら紡ぎあげた、視覚をめぐる空前絶後の思想絵巻。

遠近法は、世界を表現する方法として身近な手法であり、時にこれが唯一の正しい世界の眺望であるかのような神話的性格さえ帯びている。しかし著者によれば、遠近法は西欧における自然に対する見方の、歴史的な積み重ねの結果に過ぎない。
プラトンは、対象を描く際に、見かけにあわせて実際とはかけ離れた比率にすることを「虚像術」と呼んで退けた。古代ギリシアには存在しないはずの遠近法を、プラトンはなぜ批判しえたのか。そしてプラトンの光学に対する沈黙は何を意味し、それはどのような影響を与えたのか――。
これらの問いは、人間はどうして、常に何かを通して世界を見ようとするのか。実物を見ていても、しかしこれも「何かを通して」だと考えるのは何故か、という根源的な問いにつながっていく。
ミケランジェロとダヴィンチの緊張関係、デカルト、パスカル、ライプニッツに遠近法が与えた三者三様の影響、さらにニーチェの価値の相対主義に至るまで、遠近法を軸に、古代ギリシア演劇の背景画から、絵画や彫刻、数学・幾何学、その応用としての光学、哲学・思想、文学作品や文芸理論をも巻き込みながら絢爛豪華な思想絵巻が織り上げられる。早逝が惜しまれる碩学の記念碑的著作。(原本:新書館、1999年)

【本書の内容】
まえがき
序 章 遠近法の神話
第一章 ミーメーシス
 1 詩人追放と画人追放
 2 陰影画と背景画
 3 背景画は遠近法の導入か?
第二章 測定術
 1 洞窟の光学
 2 不文の教説?
 3 視覚の空間・思考の空間
第三章 ミーメーシスからファンタシアーへ
 1 場所・透明体・気息 00
 2 芸術的専制と専制的芸術 00
 3 もう一つの世界劇場論 00
終 章 隠喩としての遠近法
あとがき
解 説(山内志朗)

目次

まえがき
序 章 遠近法の神話
第一章 ミーメーシス
1 詩人追放と画人追放
2 陰影画と背景画
3 背景画は遠近法の導入か?
第二章 測定術
1 洞窟の光学
2 不文の教説?
3 視覚の空間・思考の空間
第三章 ミーメーシスからファンタシアーへ
1 場所・透明体・気息 00
2 芸術的専制と専制的芸術 00
3 もう一つの世界劇場論 00
終 章 隠喩としての遠近法
あとがき
解 説(山内志朗)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

キャラ

2
遠近法も虚像の一つに過ぎない。象徴性を帯びていたこの形式を批判する行為も、ある種、普遍なものとして認めてしまう論理を隠しもっているという点を、見事に暴いている。たしかに、まま見られる抽象芸術の遠近法批判の陥穽である。図形は、純粋幾何学ははたして、感覚的個物なのか、それともイデアでもなければ、可視的なものでもないのか。本書は、質的な違いを量的に描き替える遠近法にひそむ、絵を描くことと描かれたもの、感覚から生まれた無数のイメージを一つの範型や尺度に収めてしまうことの、行為そのものを哲学的に探究している。2025/07/19

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