内容説明
国家を滅亡の淵まで追い込んだ「あの戦争」から八〇年、同時代史として語られてきた昭和史は、これから歴史の中へと移行する。二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇……時代を大きく変えた八つの事象を、当事者たちの思惑や感情を排して見つめ直す時、これまでの通説・定説とはおよそ異なる歴史の真相が浮かび上がる。いったい、日本人はどこで何を間違えたのか――昭和史の第一人者による衝撃の論考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
73
盟友半藤一利が亡くなり、著者も80代後半になっており、ここで言い残しておこうという気持ちを強く感じる1冊。著者の「左翼」嫌いはご本人が公言してはばからないので有名だが、その背景も知ることができた。面白かったのは田中角栄への評価。腑に落ちるものがあった。また、明治以降の5人の天皇に対する見方も納得でき、こうした整理はいわゆる歴史研究者ではできないだろうなと思った。ただし冒頭の幕末のところで王政復古と大政奉還がごっちゃになっているのはちょっと。暴力革命というなら王政復古とすべき。編集者の手腕が問われる。2025/09/29
kawa
37
昭和史にターゲットを置くノンフィクション作家としての矜持が眩しい一冊。「戦前」と「戦後」と言う安易な括り方が、我が国歴史問題の誤った捉え方の原点だとの指摘は貴重。その他、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇、戦争経験者に対するインタビューの心得等、著者の刺激的な言説に考えさせられるところしきり。出会えたことに感謝の一冊。2025/11/21
Mark
32
戦後八十年という節目に、昭和という時代を改めて“歴史”として見直す時期に来ている。当事者が去り、資料が冷静に語り出すとき、ようやく物語としての歴史が立ち上がる。陸軍の暴走や東条英機の野心だけで説明できるものではなく、組織構造そのものの欠陥が悲劇を招いた。統帥権の乱用、文民統制の不在――それらは制度の失敗であると同時に、国民全体の思考停止でもあったのではないか。私は、人類史・日本史・自分史を一つの流れとして捉えたい。それこそが、「なぜ日本人は間違えたのか」という問いに対する、唯一の答えなのかもしれない。 2025/11/08
BUN
10
保坂さんの本は、何冊か読んで、深い洞察力と、あるがままに歴史を見る視点が好きです。この書籍にも、日中戦争から太平洋戦争に至る各国の思惑や田中角栄という人、天皇の2面性については、なるほどと思うところがありました。しかし、ところどころ、どこかはっきりと明言しないまま、暗に示して終わる部分も多く、消化不良感が残りました。分厚くなっても構わないので、もう少し、背景情報が乏しい人向けに、明確に断言してもらえればと思いました。2025/10/14
TI
10
なぜ日本人は間違えたのかとの題名だが内容はあまりそんな感じではなかった。著者は左よりかと思っていたが左に対してはかなり厳しい感じ。結局日本はアメリカにより開国されアメリカに対抗したまた叩き潰されまたアメリカの従属下にされ、それから離脱を考えた田中角栄をかなりかっているみたい。田中角栄が戦前の総理だったら戦争にならなかっただろうと。割に合わないから・・。そうなんだ。少し毛色がかわっていてよい。2025/09/14
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