文春新書<br> 高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン

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文春新書
高容姫 「金正恩の母」になった在日コリアン

  • 著者名:五味洋治【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 文藝春秋(2025/06発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614974

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内容説明

北朝鮮の歴史から消された大阪・鶴橋育ちの少女の愛と死

圧倒的取材力!親族の新証言、晩年の衝撃写真も収録し、高容姫の激動の人生を追うノンフィクション

北朝鮮の最高指導者、金正恩総書記の母である高容姫は、大阪で生まれ、鶴橋のコリアタウンで育った。北朝鮮に「帰国」したあと、その美貌でトップレディの座を射止め、故金正日総書記との間で金正恩をはじめ2男1女を産み、育てた。
だが、北朝鮮では誰でも彼女のことを知っているのに、口にするのはタブー中のタブーだ。
なぜ、高容姫は北朝鮮の歴史から抹殺されてしまったのか?
そんな高容姫について、著者は粘り強い取材で謎を解き明かしてゆく。
日本にいる「金正恩の伯父」に初めてインタビューし、高容姫の複雑な家族関係を直接語ってもらっている。日本で住んでいた家も初めて特定できた。
北朝鮮に「帰国」するために高容姫の乗った船が、新潟港を出発する写真も入手した。容姫がまだ幼い正哲、与正とともに写った貴重なショットもある。
高容姫は晩年、乳がんを患いパリの病院で治療を受けていた。その時の写真も関係者から入手した。晩年の面影は、驚くほど現在の正恩にそっくりだ。これらの写真には、金正恩も無関心ではいられないだろう。
高容姫は日本での生活を懐かしみ、個人的に日本にお忍び旅行にも来ている。子どもたちには日本のことを話し、日本語を教えていた。正恩にとって日本は「千年の宿敵」などではなく「親族が住む隣国」である。その深いつながりは、日朝の今後を考える上で、貴重な接点になる可能性もある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

15
▼著者は「父・金正日と私 金正男独占告白 」を書いたジャーナリストということで、大きな期待と好奇心を抱きつつ購入。そして一気に読み終えた▼著者は高容姫のルーツである生野区などを根気強く取材し、ついに高容姫の異母兄弟に出会い直接話を聞いている▼一人物の歴史というだけではなく、在日コリアンの歴史に関わる大きな物語であると感じたそして、日本の朝鮮半島支配の結果の一つであるという事に心を留めながら、心を痛めながらこの本を読むこととなった▼それにしても金正恩の顔はこの母親にそっくり。痩せたら美青年になるに違いない。2025/07/05

小鈴

15
読み始めたら止まらなくなった。金正恩の母親が在日なのはうっすら知ってはいたが、今の時代にあってもここまで痕跡をたどれないのも珍しい。特に日本時代の痕跡が皆無の中、粘り強くたどり彼女の生きた証を追う。日本では在日として、金正日の「日陰」の妻として金日成に認められず、帰国者は「汚点」として見られる人生。正恩の正統性を揺るがす存在でもある。正恩の母方の父は済州島出身。正恩は南北統一の象徴のようにもみえるが、統一を拒否したのが正恩だ。大阪鶴橋で生まれ育ち北朝鮮に「帰国」した女性の数奇な運命。写真多数。2025/06/28

hirorin

5
金正恩の母親が、在日コリアンで鶴橋出身ということは知っていたけど、最近鶴橋によく行くので読んでみた。トップの妻になりながらも日本から来たということで、その存在を隠さねばならなかったこと、日本公演に来た時、親族が訪ねていっても、知らぬ存ぜぬを通したこと。悲しい。鶴橋商店街のあの細い路地、入り組んだ迷路のようなところ。まだ彼女が住んでいた家が残っていると親族が著者を案内してくれる。複雑な家庭ゆえに親族がたくさん日本に残っているようだ。でも一番心に残ったのは、差別問題。日本にいれば「朝鮮人」と差別され2025/08/08

ねむ

2
高容姫の伝記的な本。壮大なドラマだった。金正恩の母が大阪生まれの在日コリアンということは知っていた。しかし血縁者にあたる人が日本にいて、それが推定50人以上になるのは驚いた。本書ではそのうちの1人(金正恩の叔父にあたる人)にインタビューをしている。2025/06/25

みんな本や雑誌が大好き!?

1
高の両親の出自や大阪での住まいや、高の異母兄弟などを訪ねての取材の日々。高本人は死亡しているし、彼女が日本にいた10年間のことを知る「同級生」などもほぼ皆無。「親戚」も、高が金正恩の母親ということで、あまりしゃべりたがらない状況もあります。 金正恩にとって、「母親」が在日コリアンの帰国者というのは「汚点」になるようで、その情報を必死になって隠蔽しようとしているようです。 韓国からの「風船爆弾」(?)もあって、北朝鮮でもその事実はかなり知られているようです。そうした経緯などを調査しつつ本書で記しています。2025/08/12

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