内容説明
かつて科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめ、「最後の鑑定人」として名を轟かせた土門誠。しかしとある事件をきっかけに、科捜研を辞職。新たに民間鑑定所を立ち上げた土門のもとに次々と不可解な事件が持ち込まれる。いつも同じ服、要件しか話さないという一風変わった合理主義者でありながら、その類まれなる能力で、難事件を次々と解決に導いていく――「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」。孤高の天才鑑定人・土門誠の華麗なる事件簿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みこちゃん
58
ドラマ化を前に読了しようと思ってたけど間に合わず、先にドラマ初回を見てからの読了。藤木直人さんでは美しすぎる感は拭えないけど、ドラマ同様、小説もサクサクと読了。警察の捜査で重要な証拠集めを担う鑑定人の、真実を明らかにするというプライドが感じられ、日頃の現場の皆様に敬意を表したくなった。それにしても最初の「遺された痕」は読んでいて気分が悪い!これはドラマ化しないだろうな…「科学は嘘をつかない。嘘をつくのは、いつだって人間です」まさにその通り。人間は怖い生き物だ。2025/07/12
里愛乍
43
今回の岩井圭也さんはハード系のお仕事小説。というかミステリですね。科捜研といえばマリコさんでお馴染みなので、専門用語で戸惑う事もなく素直に読み進めていきました。其々登場人物の背景も見え隠れしてますが、そこはあまり語らず事件のみ追う四本立てのストーリーは、どれも結末に何ともいえない苦味が残るように感じました。ドラマにもなっていて、このシリーズはちょっと追っかけてみたいと思います。2025/10/30
みんとあめ
43
ドラマが始まる前に読みたくて。かつて科捜研のエース「最後の鑑定人」としてその名を轟かせた土門誠。とある事件をきっかけに科捜研を辞職、民間鑑定所を立ち上げた土門のもとに難解な事件が持ち込まれる。予感は的中、土門もアシスタントの高倉もどストライク、好みのキャラ。事件一つ一つも引き込まれ、のめり込むように読んだ。特にラストは土門が科捜研を辞めるきっかけとなった事件、苦しくて、なんともやり切れない気持ちになるも、土門誠にますますはまってしまった。このシリーズ追いかける。ドラマも見てみよう。2025/06/30
カブ
37
ドラマになっているらしい話題作。元科捜研のエース土門誠。クールでステキです。シリーズ化されているようなので続きも楽しみ。2025/08/12
よっち
29
「最後の鑑定人」と呼ばれ、ある事件をきっかけに科捜研を辞め民間鑑定所を開設した土門誠。その群を抜いた能力で不可解な事件を解決する連作短編集。元恋人の遺留精液DNAが検出された女性他殺体、外国人技能実習生が完全黙秘した放火事件、宝飾品と一緒に車に残っていた白骨死体から明らかになる12年前の未解決強盗殺人事件、自殺した娘の遺品鑑定から分かる切ない真実。科学的な観点をもとにわずかな遺留品から卓越した着眼点や執念で事実に迫っていく土門はどこまでもプロフェッショナルで、元妻の尾藤や助手の高倉の存在も効いていました。2025/06/18




