内容説明
男の顔を見た瞬間、私の頭の中で小さな爆発が起きた――! ムサシ、ポチ、ジョーら犬たちは近所の怪しい男との間に、(なぜか昔話風味の)前世からの因縁があったことを思い出す。今度こそ逃すまいと男を追いかけるムサシたちだが……。『パズルと天気』収録、犬たちの勇敢さとユーモアが光る傑作短編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
147
書き下ろし一編に他のアンソロジーで既出の四編を加え、絶妙配置で再編された今作。作家・伊坂幸太郎25年史的楽しみ方もでき、初読みの方もベテランのイサキストさんにとっても安心&鉄板の「ザ・伊坂ワールド」的読書タイムを堪能できます。各話とも全く別チャネルのストーリーなはずなのに、並べて通読すると不思議とおさまりがいい、この心地よさ。通底するのは幸太郎の「幸」なのかも…とも。思わずニヤリの『パズル』とお得意漢字カタカナmixタイトル『透明ポーラーベア』、ひねりとオチにホロリとさせる『Weather』がお気に入り。2025/06/15
美紀ちゃん
106
「竹やぶバーニング」とても好き。竹の中に入っているかぐや姫は我々が育ててあちらにお返しする。物語になっているかぐや姫は初代のかぐや姫。だいたい100年に一度くらいのスパンで千年以上続いている随意契約のようなものだった。そのかぐや姫が入っている竹を仙台の七夕祭りに誤って出荷してしまい困っているという。面白い。「イヌゲンソーゴ」も楽しかった。もうあれもこれも色々な元祖の有名ストーリーが盛り込まれていて面白くて笑った。全員集合的な。フランダースの犬のところとか。仙台に住んでいる伊坂さん。私も仙台が好き。2025/06/21
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
96
(2025-84)新作の短編集って言うよりは、書き下ろしの「パズル」以外はアンソロジーで既出の作品を再編集したものなのだが、私はどれも未読だったので楽しめました。冒頭の「パズル」は「他人のことは、ぴったりと当てはまるパズルよりは、自分じゃどうにもならない天気だと思った方がいい」と言う言葉はほんとにそう思う。私も普段そう思ってます。最後の「Weather」は女性遍歴の多い親友の結婚相手が自分の元彼女と言う微妙な主人公の話だけど、思ったよりもうるってなるハッピーな展開で良かった。伊坂さんらしい短編集。★★★2025/06/14
hirokun
88
★3 伊坂幸太郎さんの五編の短編集。執筆時期はみな違うにも拘らず、何かよく似た作品の味わいを感じる。正直、私にはよく理解出来ない作品もあったが、私の一押しは、非常に素直なストーリーで、なおかつ読後にほんわかとした温かさが感じられる、「Weather」だ。他の方の感想でも、同一の意見があった。2025/06/16
もぐもぐ
78
ならのさんの装画が素敵で読む前から気持ちがウキウキでした。巻末に伊坂さんによる各話解説がありますが、20年前のものから今年書かれたものまで時期がバラバラな5編の短編。どの話も人のつながりやテンポの良い会話が伊坂さんらしくてとても気持ちよかったです。『Weather』は涙がじんわり。『パズル』に出てくる謎人物の財音杏はどこか別の作品にも登場しそう😊2025/06/06
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