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内容説明
男社会で働くすべての女性たちへ!
祖父が国会議員の野田聖子と
実家はうどん屋の辻元清美。
生まれも育ちも正反対なのに、
なぜか仲の良いふたり。
「家に帰っても冷蔵庫は空っぽ(涙)」(辻元)
「いい人がいたら紹介するから」(野田)
などと、本音トークが炸裂!
そんな彼女たちは、
約30年もの間、超男社会の国会の中で、
「女のくせに変な人」と指差されながら、
己の信念に従って、議員を続けてきた。
それゆえ、対談は、
郵政民営化選挙や連立政権での造反など
乗り越えてきた政局や
党派を超えた協力によって成立した
NPO法や児童ポルノ禁止法……、
そして現在進行中の選択的夫婦別姓の裏側、
また、次世代の女性議員のために作った塾や
若い議員に寄せる期待にまで話はおよぶ。
セクハラ・パワハラ、
おひとり様の悲哀、
育児・介護に老後など、
働く女性に共通に降りかかる悩みについても
深くえぐってくる。
後半はジャーナリストの長野智子氏をファシリテーターに、
政治家や企業重役の
一定の定数を女性に振り分ける
クオータ制についての鼎談。
どう働き、どう政治にコミットしていくかを
改めて考えさせる
元気あふれるふたりのかしまし対談。
(底本 2025年6月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
12
自民党と立憲民主党の同い年二人の対談。「変な女」あるいは「怖い女」として見られるのは何が問題なのか。まず、女性議員が少ないのだが、当選した女性議員を育てるのではなく使い捨てており、キャリア形成ができていないという点は二人とも指摘している。政治家という職業は特殊ではあるが、経済的な不安定さ、出産との両立が困難であることなどは多くの女性が直面している問題と共通するだろう。2025/07/31
OjohmbonX
7
野田聖子と辻元清美という国政のベテラン政治家が仲が良いということも知らなかった。二人の対談で、目の覚めるような認識が示されるとか、深い議論が展開されるわけではないが、政治家という特殊な職業を選択した女性、人生を生きている普通の人間としての実状をとても率直に語り合っている。自民党で造反4回、公認取り消しもあり、選択的夫婦別姓制の賛成派という異端のポジションにいる野田聖子の、党に頼らないこの中選挙区的なマインドは党に依存しなくても選挙に勝てる地盤の固さにあるのだろう。2025/06/17
みじんこ
5
様々な場面で目立つ二人が女性議員として感じる政治の男性優位性、育児や介護などの生活と政治家の両立の難しさ、給料と出費まで率直に語り合っていて気軽に読めた。ただの文字でも法律を作ることは社会へのビルトインの意味があるというのはなるほどと思う。クオータ制と女性議員が増えることによる影響は勉強になり、安全保障等含めた全体の政策的なバランスとしても一定の割合必要なのだと思えた。野田議員は与党ゆえのメリット、政界のビッグマムとして他党の女性政治家まで引き抜いていく方法まで語っており、一理ある&手ごわいと思った。2025/06/07
ずー
1
自民党というだけで良くないイメージを持っていたが、野田聖子個人のことはかなり見直した。「困ってる人たちのために法律を作ることが国会議員の仕事」「現状の選挙制度は変えたほうがよい」など、わりとリベラルな感覚の人なんだなと思った。2025/07/22
おはら
1
一大与野党の看板娘的な2人の女性政治家が、職業としての政治を語り合う。酸いも甘いも赤裸々に明かされてて面白かった。野田聖子のように自民党でリベラルを貫くには盤石な地盤と太い実家が必要なのがひしひしと伝わってきて複雑な気持ちになった。一方の叩き上げ辻元清美は親の介護のために毎週末大阪と往復する生活で、議員活動は持ち出しも多く大変と言っていて、世襲ではない議員に対する経済的なサポートはもう少しどうにかならないのかという気持ちになった。2025/06/22