岩波文庫<br> プーシキン詩集

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岩波文庫
プーシキン詩集

  • ISBN:9784003260449

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内容説明

プーシキン以後のロシア文学はすべて彼の仕事の継承と発展にすぎないとさえいわれる.中でも平明簡潔な言葉でうたい上げた彼の詩は,今なおロシア人の心の故郷として人々の胸深く刻みつけられて来た.その詩の数々は苦難にあえぐものに勇気となぐさめを与えるに違いない.改版に当り訳を改めると同時に作品も撰びなおした.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

1815年
ナターシャに/夢見る人/ばら
1816年
歌びと/願い/友だちに/めざめ
1817年
わかれ/〈さようなら こころかわらぬ の木立よ〉/自由
1818年
ゴリーツィナ公爵夫人に 頌詩「自由」を贈るにあたって/チャダ―エフに
1819年

1820年
〈ひるの明るいひかりが消えて〉/〈なぜに不吉な思いによって〉/〈はかなき恋の夢見のなかに〉/ネレイード/ぶどう/〈空にたなびく雲がとぎれる〉
1821年
ミューズ/〈のぞみの日々も流れさり〉/チャダ―エフに送る/ディオネーヤ/プウシチン将軍に/〈わたしの声はやがてはかなくとだえるだろう…〉/若者の墓/〈心まめやかなるギリシャの女よ!…〉/オヴィジウスに
1822年
ベサラビヤからバラトゥインスキイにあてて/ヴラジーミル・ラエーフスキイに/アデリに
1823年
小鳥/〈波よ おまえをおしとどめた者はだれか?〉/夜/〈甘い望みに子供のように〉/デーモン/〈わたしはひとり自由の種子をまくために〉/いのちの荷馬車
1824年
ヤズイコフに/海に/バフチサライ宮殿の噴水に/〈つめたい日が落ちて…〉/〈あなたはしぼむ あなたは語らない〉/北風
1825年
焼かれた手紙/名誉の望み/ブラスコーヴィャ・オーシポヴァに/〈わたしをまもれ わたしの護符よ〉/アンナ・ケルンに/〈日々のいのちの営みが〉/バッカスの歌/〈野ずえにのこる遅咲きの花は〉/一八二五年一〇月一九日/夜うぐいすとかっこう/ファウストの一場面/冬のゆうべ/あらし
1826年
ふるさとの青い空のもとに/予言者/イヴァン・プウシチンに/冬の道/保母に
1827年
シベリヤへ/夜うぐいすとばら/エカテリーナ・ウシャコーヴァ/三つの泉/アリーオン/エカテリーナ・ニコラーエヴナ・カラムジナーへの讃歌/詩人/一八二七年一〇月一九日
1828年
思い出/一八二八年五月二六日/〈野を吹く風はいまだつめたく〉/〈歌うな 乙女よ わがまえで〉/予感/〈はなやかな町 まずしい都〉/アンチャール/花/幼きヴォルコンスキイへの墓碑銘
1829年
〈馬車にのってイジェルイの駅に近づいたとき…〉/物のきざし/〈グルージアの丘の上に…〉/〈むかし世に 貧しきひとりの騎士ありけり.…〉/旅路のつぶやき/〈冬が来た.…〉/冬の朝/〈私はあなたを恋していました.〉/〈さわがしい街をさまようときにも〉/カフカース/なだれ/カズベークの僧院
1830年
〈あなたにとって私の名前がなんになろう?〉/詩人に/魔物/エレジー/別かれ/〈頬の赤い批評家よ〉/呪文/眠れぬ夜に書いた詩/〈とおいふるさとの岸を求めて〉/ジプシイ/〈思い出が音もなく心をかじり〉
1831年
こだま
1832年
アンナ・アバメレクのアルバムに/***に〈いな いな わたしはできない〉/アルバムに
1833年
秋/〈神よ 私の心を狂わしめ給うな.〉
1834年
〈ときが来た 友よ ときが来た〉/〈異国の民なるわれらの中に住みつつ〉/〈心わびしく墓場にたたずめば〉
1835年
黒雲/さすらいびと/〈…ふたたびわたしはおとずれた…〉/〈思いに沈んで 町のそとをさまよい〉/〈私はおのれに人業ならぬ記念碑をたてた.〉/〈かなしきは籠のまひわよ!〉
訳者注
解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

106
韓国ドラマの主人公の少女が発するような愛らしい詩は私まで火照ってしまうよう。生きた心の温度を感じられる。音符に乗せたくなるような詩が多い。プーシキンが別の時代に生きていられたら...もっと多くの作品が遺っただろう。直に皇帝の支配下あって、あまりにも自由がなかった。2021/02/19

新地学@児童書病発動中

103
ロシアの国民的詩人プーシキンの詩をまとめて読むのはこれが初めてだった。自分の胸の内を、素直に表現していく詩の内容は非常に明快で読みやすく、好感を持った。それでいて韻文としての美しさは失っておらず、一読して心の中に残っていく詩が多い。メランコリックな内容を持つ詩が多いのはロシアの国民性と関係があるのかもしれない。お気に入りの詩の一節をご紹介。「こころはいつもゆくすえのなかに生きる。いまあるものはすずろにさびしい思いを呼ぶ。ひとの世のなべてのものはつかのまに流れ去る。流れ去るものはやがてなつかしいものになる」2015/03/06

aika

47
再読。絶望の淵にあっても決して歩みを止めない強さと、相手の幸せを祈り続ける深い愛情。そして専制政治や農奴制に虐げられる人々を鼓舞する情熱が、詩人の魂の叫びから聞こえてきます。流刑に次ぐ流刑という憂き目に遭い、誰よりもふるさとを希求したからこそ、彼が描くロシアの大自然は広大でありながら人に寄り添ってくれるのかもしれません。「悲しい日にはこころをおだやかにたもちなさい。きっとふたたびよろこびの日がおとずれるから。」皇帝からの抑圧にも決して信念を曲げなかった詩人の言葉に、時代や国を超えて勇気をもらえます。2021/03/21

赤とんぼ

32
美しい言葉たち。どんな時にも寄り添ってくれる詩がある。喜びの時にも、哀しみに時にも、言葉にならない心の綾をときほぐすかのように。これを原文で読めたら、どれほど幸せだろう。 「だが友よ 死をわたしはのぞまない。わたしは生きたい ものを思い苦しむために。かなしみ わずらい 愁いのなかにも なぐさめの日のあることを忘れない」 2016/02/21

aika

27
プーシキンが綴る、詩。それは、かけがえのない同志に贈る心からの励まし、虐げられた人々への同苦、敗北への辛苦だったり。熱烈な、激情ともいえる恋、失った大切なひとを思う哀しみに溢れた喪失感だったり。その全てが、彼が生き切った日常の中で生み出されたものなのだと思うと、私も人生を生き抜きたいと希望が湧いてくる作品でした。彼のように、苦境の中でも、詩心を忘れないひとでありたいし、大切なひとの幸せを願い続けることのできるひとになりたいです。なんとか2015年までに読み終えられてよかったです!笑2015/12/31

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