岩波文庫<br> 芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

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岩波文庫
芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

  • ISBN:9784003725177

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内容説明

芥川が選んだ「新らしい英米の文芸」は,まさに当時の「世界文学」最前線であった.旧制高校の英語副読本として編まれたアンソロジー八巻より,二二の短篇・エッセイを精選.ポーやビアス,スティーヴンソンから初邦訳の作家まで,芥川自身の作品にもつながる〈怪異・幻想〉の世界を,豪華訳者陣による翻訳で堪能する.

目次

はじめに――柴田元幸
Ⅰ The Modern Series of English Literatureより
身勝手な巨人……………オスカー・ワイルド(畔柳和代訳)
追い剥ぎ……………ダンセイニ卿(岸本佐知子訳)
ショーニーン……………レディ・グレゴリー(岸本佐知子訳)
天邪鬼……………エドガー・アラン・ポー(柴田元幸訳)
マークハイム……………R.L.スティーヴンソン(藤井光訳)
月明かりの道……………アンブローズ・ビアス(澤西祐典訳)
秦皮の木……………M.R.ジェイムズ(西崎憲訳)
張りあう幽霊……………ブランダー・マシューズ(柴田元幸訳)
劇評家たち あるいはアビー劇場の新作――新聞へのちょっとした教訓
……………セント・ジョン・G.アーヴィン(都甲幸治訳)
機械時代のダーウィン……………サミュエル・バトラー(小山太一訳)
林 檎……………H.G.ウェルズ(大森望訳)
不老不死の霊薬……………アーノルド・ベネット(藤井光訳)
A.V.レイダー……………マックス・ビアボーム(若島正訳)
スランバブル嬢と閉所恐怖症
……………アルジャーノン・ブラックウッド(谷崎由依訳)
隔たり……………ヴィンセント・オサリヴァン(柴田元幸訳)
白大隊……………フランシス・ギルクリスト・ウッド(若島正訳)
ウィチ通りはどこにあった……………ステイシー・オーモニエ(柴田元幸訳)
大都会で……………ベンジャミン・ローゼンブラット(畔柳和代訳)
残り一周……………E.M.グッドマン(森慎一郎訳)
刈取り機……………ドロシー・イーストン(柴田元幸訳)
特別人員……………ハリソン・ローズ(西崎憲訳)
ささやかな忠義の行い……………アクメッド・アブダラー(森慎一郎訳)
Ⅱ 芥川龍之介作品より
春の心臓……………ウィリアム・バトラー・イェーツ(芥川龍之介訳)
馬の脚……………芥川龍之介
おわりに――澤西祐典
附 芥川龍之介による全巻の序文と収録作品一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

109
最近、岩波文庫はこのような少し毛色の変わった作品集を出してくれるようになって愉しんでします(英国の推理小説など)。旧制高校の英語のサイドリーダー用の本の中から芥川龍之介が選んだ短編を現代の訳者たちが訳していてよみやすさがあります。ただ表題が怪異・幻想譚という割には少ないような気がしました。初訳の作品も多いというのですが、私には従来から読んでいるM・R・ジェイムズやアルジャーノン・ブラックウッドの作品などが楽しめました。2025/05/22

藤月はな(灯れ松明の火)

65
アンソロジーが文庫化した事に嬉しさと「もう少し、早く、本書を読んでいたら・・・」という後悔も入り混じった、複雑な気持ちを味わう。読んでみたら芥川龍之介氏の怪奇・幻想小説のセンスの良さや先進性に驚くばかり。この人が編纂した英米文学集、是非とも全巻、読みたいな・・・。悪党の義侠心による善行が光る「追い剥ぎ」、善悪のせめぎ合いの「マークハイム」、「藪の中」に影響を与えたとされる「月明かりの道」、紳士的な解決が見事な「張りあう幽霊」、批評家の罵詈雑言とその批判先となった作品の後の評価の落差に苦笑いせざるを得ない2025/06/08

ふるい

14
2週間ほどかけて読了。およそ100年前に芥川龍之介が編んだ旧制高校生向けアンソロジーである。今となっては古典の部類となる作品も多いが、現代の読者も十分に楽しめるあたらしさ(!)のある英米の短篇を味わうことができる。特に「ショーニーン」などアイルランド系作家の作品が面白かった。2025/05/07

tokko

13
まずこの企画の一部が柴田先生によって編集、翻訳されていることが「面白くないわけがない」理由。柴田先生のアンソロジーのレベルの高さは言うに及ばず、さらにそれが芥川龍之介のチョイスがもとになっていることが、「読まざるべからざる」理由。すべてが面白く、すべてが選ばれて納得の作品ばかりです。2025/06/12

ふみふみ

13
芥川龍之介の英米文学アンソロジーから編者が二十二の短篇をセレクト。Oヘンリーやサキは今では有名すぎるから外れたのかな。怪異・幻想譚 の看板にはちょっと違和感ありますね、そういう内容ばかりではないので。鉄板だと思ったのはワイルド、ダンセイニ興、M.R.ジェイムス、オサリヴァンですが、意外だったのはトリの芥川「馬の脚」。スラップスティックの傑作で、これが一番破壊力が強く、本書の印象を全部持って行った感があります。2025/05/17

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