カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か

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カルロ・ロヴェッリの 科学とは何か

  • 著者名:カルロ・ロヴェッリ【著】/栗原俊秀【訳】
  • 価格 ¥2,310(本体¥2,100)
  • 河出書房新社(2022/02発売)
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  • ポイント 630pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309254418

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内容説明

地球が宙を浮いていることを最初に見抜き、初めて地図を描き、世界を始まりも終わりも無限だと想定した古代ギリシャの世界初の科学者アナクシマンドロス。科学的思考の本質をえぐり出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

109
「科学とは何か」を考えるのにアナクシマンドロスに注目するのがユニーク。「虚空で宙づりになった大地」という発想こそ人類史上初めての科学革命だと言う。科学とは、「検証可能な予想の提示」に還元されるものではなく、「世界の見方」を問い直し変革する知的な営み。科学史は、クーンのパラダイム論が示す不連続ではなく、連続的な通約性が重要だとの言葉に、一般相対性理論と量子力学の両立に挑戦する著者の思いが集約されている。『すごい物理学講義』でデモクリトス、そして本書でアナクシマンドロス。イオニア自然哲学への理解が深まった。2022/03/26

やいっち

83
訳者あとがきによると、本書は一般向けのサイエンス本としてはロヴェッリの初期の本。後続の本が評判ということもあって、敢えて翻訳となったのだろう。  彼は、既刊本でデモクリトスを称揚していたが、本書でのアナクシマンドロスは、そのとば口となるもの。吾輩などは、解説を最後に読んだので、恥ずかしながら、これまでの論考の発展本かと勘違いして読んでいた。不明を恥じるが、それだけ優れた内容とも言える(よね)。2022/03/29

yyrn

27
そうか、2600年も前に我々は空間に浮かぶ大地に生きていると(観察と鋭い洞察によって)看破した人がいたのか。日本はまだ文字もなかった縄文時代なのに。彼我の差に愕然とするが、四千年の歴史を自慢する中国でさえ地球が球体だったとは見抜けなかったのだ。▼BC6世紀に活躍したタレスと(本書の主役で著者が人類の科学的思考の始まりと高く評価する)アナクシマンドロス、BC5世紀ではピタゴラス、ヘロドトス、ソクラテス、BC4世紀にはデモクリトス、ヒポクラテス、プラトン、アリストテレス、BC3世紀でアルキメデス、その後、⇒2022/04/16

kthyk

16
あるがまま、当たり前の自然世界、しかし、そこには見えないモノ、不思議なコトが沢山ある。ここのところロヴェッリを読み続けている、この書は科学というより、宗教とは異なる現実世界の物語をいかに読むかにある。自然世界を文学のようにシンボル化し、映像を見るように想像するのが物理学。決して、利便の為のノウハウではない。2700年前のアナクシマンドロスから現代のアインシュタインとその周辺。そこにあるのは、新しいものを探すことではなく、すでにあるものをいかに読み、いかに批評するかがその役割、それはまさに現代建築の課題だ。2023/07/22

ジョンノレン

13
所与のイメージに捉われず、正確に世界を記述する事に全身全霊を傾ける科学(者)の本旨がアナクシマンドロスをど真ん中に置いて、これでもかと畳み掛けるように熱く語られる。紀元前6世紀のミレトスを巡るダイナミックな歴史的描写は、トゥインビーの歴史の研究の一編にも比肩するスケール感。終盤には、時に深刻に対峙して来た宗教との関係性にも真正面から取り組む。また地中海隣接のエジプト、中東、ギリシャで花咲いた豊かな科学文化を自ら起源の如く優越性を翳す西欧の短絡的姿勢を批判するなど、文明論にも展開する渾身の一冊。2022/04/04

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