内容説明
離婚後も「ふたり親」という提案
国際的に離婚後の共同親権が認められるなか、なぜ日本では“骨抜き”の共同親権しか実現し得ないのか。全国四〇人超の当事者との対話を通して浮かび上がったのは、行き過ぎたフェミニズムがもたらした社会の歪みだった。「子どもの最善の利益」を第一に考えた、日本の家族の未来を展望する。
◎離婚のトリセツ「共同養育計画合意書」収録
■■子ども、夫、妻、そして祖母――
全国の離婚当事者の「声なき声」を集めた必読の書■■
・変わり果てた息子の姿(NIさん)
・残された絵本とベビー靴(MRさん)
・周到に準備された昼逃げ(MAさん)
・探偵を雇って妻と娘を探した(KHさん)
・身に覚えのないDVで即日「退去命令」(YSさん)
・措置入院を経て、執念で子どもを連れ戻した母親(SYさん)
・日時を決めても会えない(HWさん)
・親権と監護権を分けたことが裏目に(HYさん)
・マジックミラー室での対面(IYさん)
・罪悪感を持ちながら母親に会っていた(IRさん)
・パンツ一丁で逃げ出した(YMさん)
…ほか
「両親の離婚で子どもの心は置き去りにされてきた。子どもは物ではない。不幸のガラパゴスにおける最大の被害者は子どもである」(「はじめに」より)
第一章 単独親権のもとでの悲劇
第二章 改正民法「選択的共同親権」の限界
第三章 フェミニズムと共同親権反対運動
第四章 離婚に直面した子どもの心に寄り添う道
第五章 日本の家族の未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
国際的に離婚後の共同親権が認められる中、なぜ日本では選択式共同親権しか実現し得ないのか。全国40人超の当事者との対話を通して浮かび上がったことを伝える1冊。滋賀県知事を経て衆議院議員になった著者が、自身も離婚した経験も踏まえながら、全国の離婚当事者の実例を紹介しながら、単独親権のもとでの悲劇と改正民法「選択的共同親権」の限界を解説していて、原則共同親権の欧州に対して、日本では思想的な背景や利権構造による反対で中途半端なものになってしまったようですが、改正を第一歩としてより議論を深めていく必要がありますね。2025/06/06
いっしー
2
人はン゙十年年昔の悪習(差別、隔離等々)を聞くと、「今ではあり得ない。信じられない」と、昔を批判し、今に安堵する。しかし本書にあるような、子の連れ去り、引き離し、は今も日本に現存する問題だ。それを分かりやすく、インタビューも交えて問題提起しているのが本書だ。十年後に振り返ると「親権が片方にしか無い時代があったんだって。信じられない」という世の中になっていることだろう。2025/05/25
文明
1
単独親権派の主張は破綻しているが、嘉田自身のアーギュメントも特にない。論旨との関係性がよくわからない個人的な思い出話ばかりで、文春新書がまともな媒体でないことがわかった。エピソード自体は勉強になった。2025/06/13
-
- 電子書籍
- 名探偵カッレ 城跡の謎