無意味なんかじゃない自分 ハンセン病作家・北條民雄を読む

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無意味なんかじゃない自分 ハンセン病作家・北條民雄を読む

  • 著者名:荒井裕樹【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 講談社(2025/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065395714

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内容説明

川端康成にその才能を認められながら、
ハンセン病によって23歳でこの世を去った作家・北條民雄。
文学史に輝く傑作『いのちの初夜』を遺した若き小説家は、
なぜ病を抱えてなお書き続けたのか。

***********************
ぐっと近づいて北條民雄を見つめると、
「その気持ちわかるなあ!」が心から溢れてきた。
私たちはみんな弱い。
弱いままで強く生きた人の叫びがここにある。
                市川沙央
***********************

【目次】
はじめに
第一章 差別の歴史を振り返る  
第二章 差別の感覚を掘り起こす
第三章 北條民雄の生涯  
第四章 隔離の中の北條民雄  
第五章 差別される自分に戸惑う 「いのちの初夜」を読む(その一)  
第六章 光の中の毒を読む 「いのちの初夜」を読む(その二)  
第七章 無限ループを走り続ける 〈社会的人間〉とは  
第八章 「作家」という生存戦略 北條民雄の日記を読む(その一)
第九章 言葉と心の落差 北條民雄の日記を読む(その二)  
第一〇章 麗しく迷惑な友情 北條民雄の日記を読む(その三)
終章
終わりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

29
北條民雄氏の「いのちの初夜」は2023年のマイベスト・スリー。ハンセン(癩)病で隔離施設に入所、23歳で結核により早逝した氏。川端康成に注目され「唯一無二の輝きを放った悲劇の作家」像とされる氏の検証を試みる。著者が記す通り卑俗、小心、自己中心的な面が彼の作品などから読み取れるとしても、不治の病にかかった二十歳前後の若者に聖人君主振りを求めること自体酷なように思う。著者もそれらを持って氏の作品に否定的評価をしているのではないし、却って作品のより深い理解にとって有益となる内容。早速「いのち~」の再読に行こう。2025/07/26

埼京東湖

5
「100分de名著」でハンセン病患者であり、若くしてこの世を去った作家・北條民雄の『いのちの初夜』を見て、気になり読んだが、北條民雄の人生だけでなく、北條の思想遍歴、人間関係がよく分かった。「孤高の天才作家」、「夭逝のハンセン病作家」などと神格化されつつある北條だが、療養所生活を強いられ、不平不満や他人の悪口を日記に書いたり、人間臭さがある。実は「自分の存在価値とは何か」を問い続けた点では、私たちと変わらないひとりの人間である事が分かる。北條の作品や他のハンセン病文学など読んでみたいと思った。2025/08/02

taco

2
北條民雄氏の著作を読んだことが無く、全生園を見学したことでこの病に関心が出て、手に取る。彼の攻撃的な情動に境遇に寄るものか、もともとの性格なのか、なんとなく振り回されながら読了。著作も読んでみようと思う。 口語体で、正直に丁寧な視点で綴る内容に好感をもてました。2025/08/15

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