内容説明
清末の思想家・厳復(1854-1921)が,T. H. ハクスリーの論文を創造的に翻訳し,自身の主張を展開した書.そこに示された「天演」,すなわち進化の原理,生存競争と自然淘汰の過程は,日清戦争に敗れ,亡国の危機意識を強めていた中国知識人に圧倒的な影響力をもった.中国の近代化を思想的に起動させたベストセラー.
目次
凡 例
呉汝綸序
『天演論』自序
翻訳凡例
導 論
一 変化の洞察
二 広義の進化
三 変 異
四 人 為
五 天人の争い
六 人為淘汰
七 成功と失敗
八 ユートピア
九 人口の淘汰
十 選択の難しさ
十一 ハチの社会
十二 人間社会
十三 利己性の克服
十四 思いやりと衰退
十五 各章の要旨
十六 進化の微細な発端
十七 社会の改善
十八 新たな反転
本 論
一 潜在エネルギーと効果
二 憂 患
三 宗教の源
四 刑罰の厳格な適用
五 天による刑罰
六 ブッダ
七 カルマ
八 超俗的な生き方
九 真と幻
十 仏 法
十一 ギリシアの学派
十二 天からの苦難
十三 本性について
十四 本性の矯正
十五 悪の進化
十六 社会の統治
十七 社会の進歩発展
解 説
あとがき
索 引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Happy Like a Honeybee
3
魯迅が暗記する程、当時の中国で読まれた書籍。 スペンサー、ハクスリー。2025/06/16
Ryoma Okamura
1
逆の方向から探求してみると、もし生命を持つものが、種〔の違い〕はあっても皆同じままで、わずかな変異も全くなければ、進化というはたらきはおこりようがない。進化とはつねに変化が生じてとどまるところがないということである。もし生きていく上で必要な資源が、変異を生じたものに影響を与えることがなければ、自然淘汰というはたらきも無くなってしまうだろう。もし生きていくためのものが、つねに生物の生まれる数にみあうだけ無限にあれば、生存競争という説もまた適用しようがない。競争は必ず不足からおこるのである(p.72)。2025/11/18
Ryoma Okamura
0
たとえば、園芸家は果実や花や葉に気にいらないところがあれば、悪い種を除き善い種を選ぶことを繰り返す。〔人による選択が行われても〕生存競争は依然として変わらない。ただ〔人の選択が加わる〕前の競争は自然に適応することを競い、後の競争は人に適応することを競うのである。〔生存競争の結果として〕生き残るということは同じだが、生き残った理由は異なる。このようなことが累積していけば、〔人間にとって〕悪いものは日々消滅し、善いものは日々増え、その結果は期待をはるかに越えるものがある(p.99)。2026/02/08
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