内容説明
戦闘中に功を焦って大怪我をした新米傭兵ヴィヴ。治るまでと傭兵団に置いていかれたマークはやたらと美味しいパンやスコーンを売るベーカリーもある小さな町だった。痛む脚を動かして町を歩いていたヴィヴは、退屈しのぎにいまにも潰れそうな本屋に入ってみた。普段まったく本に縁のないヴィヴだったが、店主の小鼠人が強引に薦める本を読むうちに物語の虜になり、あきらめ顔の店主の尻をたたいて、本屋のたてなおしに着手する。町で知り合った友人たちの協力も得て、たてなおしは順調に進んでいたが……。大人気の『伝説とカフェラテ』前日譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
50
百合である。オークとドワーフ⋯オニユリだろうか?女傭兵とパン屋の女将の心の通わせ方が初々しい。さて『伝説とカフェラテ 傭兵、珈琲店を開く』の前日譚である。自分たち書痴にとってこの舞台装置は特別である。傷ついて取り残された傭兵が、その地で出会った寂れた本屋で読書にのめり込んでいく「ここではないどこかにいた。」様は、まさに読書の最良の部分を言い表わしているではないか?そして、本屋のたてなおし、思い付きをかたちにして着実に蘇っていく楽しさと、忍び寄るネクロマンサーの脅威と云うスパイス⋯数々の出会いと別れの物語。2025/06/07
宇宙猫
17
★★★★★ 「伝説とカフェラテ」の前日譚。若気の至りで重傷を負って田舎町に置いていかれたヴィヴ。潰れそうな本屋のラットキンと親しくなり手助けする。戦闘にしか興味の無かったヴィヴが、本や人との交流に関心を持っていくのが良かった。「伝説とカフェラテ」の時点に戻る、エピローグの続きが読みたいな。2025/08/08
しましまこ
16
前日譚だった。ヴィヴがひよっこの頃の物語。潰れかけの本屋を立て直すのも楽しいが、今回は素敵なベーカリーのスコーンにビスケット、そして糖蜜パン!2025/06/19
北風
16
別れと物語の締めが、「物語の先の物語でね」最高の締めだな。絶対に人生で言う機会はないけど、読書会の締めでは言えたら最高だわー。続編と言いつつ前日譚だった。引退するための話だったから、あの後で冒険するのはきつそうだもんね。グリフェットってなんだろう? カワイイのはわかるが、聞いたことがないので小さなグリフォンみたいなもの? モンスターのいるこの世界では生き残れそうにないけど……。今回は本屋が舞台なので、もちろん本好きに楽しめる内容になっている。そして、美味しいパン屋も。次回作もあるのかな?2025/06/01
nizi
7
「伝説とカフェラテ」前日譚。本屋に重点はおかれておらず、むしろネクロマンサーとの争いがメイン。純粋に出来だけ観れば、前作の方が面白かった。2025/06/22