講談社現代新書<br> なぜヒトだけが幸せになれないのか

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講談社現代新書
なぜヒトだけが幸せになれないのか

  • 著者名:小林武彦【著】
  • 価格 ¥979(本体¥890)
  • 特価 ¥489(本体¥445)
  • 講談社(2025/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065390894

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内容説明

【シリーズ累計25万部突破! 「幸せに生きる」ための生物学講義】

『生物はなぜ死ぬのか』では死の意味を、『なぜヒトだけが老いるのか』では老いの意味を生物学的に考察してきた著者によるシリーズ最新作。第三弾となる本書のテーマは「幸せ」。
生物の中でも、ヒトは「ある変化」を機に幸せに生きにくくなったという。その理由とはなにか。幸せに生きる方法はないのか。生物学から「ヒトが生きる意味」を考える。

生物学的な価値観から「幸せ」=「死からの距離が保てている状態」と定義してみます。この定義に当てはめて現状を考えると、何がヒトの幸せの妨げになっているのかが見えてきました。意外なことにその原因の一つは、私たちの細胞一つ一つに存在する「遺伝子」にあったのです。ーー「はじめに」より

・ヒトだけに見られる「遺伝子と環境の不適合」
・幸せは「死からの距離感」で決まる
・進化的に見た生物の「幸せ」とは
・生物学的視点から考える「リーダーの四つの条件」
・移動をやめて格差が生まれた
・ヒトはテクノロジーの使い方が上手くない
・豊かさと幸せは一致しない
・地方に住むと「幸せ」になれる?
・ため込まないことの幸せ
・「幸せ」は遺伝子に刻まれている
・長生き以外の「幸せ」の要因
・ヒトは絶滅の危機にある?  ……ほか

◆おもな内容
第1章 進化からみた生きものの幸せ
第2章 ヒトの幸せとは一体なにか
第3章 「幸せ」は遺伝子に刻まれている
第4章 なぜヒトは「幸せ」になれないのか?
第5章 テクノロジーはヒトを「幸せ」にするのか
第6章 「幸せ」になるために――生物学的幸福論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

171
私たちの生は、過去の数限りない死によりもたらされたもの。現代の景色も通過点にすぎない。生物学者が、幸せを死からの距離と定義して話を進める。共感力、利他的であったためにヒトは生き残れたが、定住して格差が生まれ、時代とともにフィットしなくなった幸せのかたち。遺伝子レベルでは追いつかないその変化の中で脳はどう行動するのだろう。好奇心の追求はその先の保障がないままに、人を幸せにする。我々は原点を振り返らずにこのまま進んでいいのか。AIが情報から勝手に導き出した答えを、意志を持たずに信じてしまう未来はそう遠くない。2025/05/06

tamami

53
副題として「その理由は『遺伝子』にあった!」とあるように、本作の根幹にある論理は、数百万年来持っていたヒトの遺伝子が、文明の急速な発展とともに、環境との不適合を起こしているということにある。「幸せ」を取り戻すために、格差と不公平感を生み出した「弥生格差革命」以前のヒトが持っていた「幸せのエッセンス」を再現することができないだろうかという。その二つとは、安心して暮らせる新しいコミュニティの構築と、誰もがゼロベースから成長できる環境であるという。「幸せ」は意外に身近なところに転がっているのではないかと考える。2025/10/31

ta_chanko

35
幸せ=死からの距離が保てている状態。人類は狩猟採集から定住農耕、さらに産業社会・情報社会へとテクノロジーを発展させ、豊かな生活を送れるようになったが、だからといって人々の幸福度が高まっているとは言えない。むしろ人間関係を中心とするストレスに苛まれながら毎日生活している。幸せを求めるベター思考、それに基づいてテクノロジーを発展させることは本能。しかし何万年前から変わらない脳は、自らが創り出したテクノロジーを使いこなせない。その象徴が核兵器やスマホ。狩猟採集民に学び、所有や発展よりもコミュニティの絆を大切に。2025/09/04

こばまり

34
しっかりDNAに刷り込まれていて、たかが数万年の進化では変われないと知れば諦めも付く。狩猟採集から農耕定住への移行はより穏やかで安定した生活様式の選択と思っていたが、確かにモノの貯蓄を是とする社会には必ず揉め事がついて回る。2025/07/21

Roko

29
戦争とか病気とか、死と向き合う人は「死にたくない」と考えます。ところが、そういう恐怖がない、豊かな世界に住んでいる人ほど自殺数が増えるのです。かつてはみんなで力を合わせて生きてきたのに、テクノロジーの進歩によって信頼できる人間関係が壊されていくからだというのは、何という皮肉なのでしょうか。2025/04/24

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