わたし、わかんない

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わたし、わかんない

  • ISBN:9784065389522

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内容説明

「ここはいやだとおもう気もち、わたし、ちょっとだけわかる。」野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

校舎を見上げると、二階の窓から女の子が体を半分のりだして、いまにも飛びおりようとしていた。またあの子だ。
〈あー〉
声にはださずにさけぶ。
〈飛んじゃだめ〉
髪に黄色いリボンをむすんでいるその子にむかってさけぶ。ーー

学校で、みんなのなかにまじりこんでいるとおもっていても、気がついたら、いつもみんなの外にいる。

校舎からでて、ふりむいた。そして、あの二階の窓を見あげた。窓はあいているけれど、あの女の子のすがたはなかった。
ーーー

「そんとき、いやだ、いやだ、いやだ、って声が体のなかからきこえたんだ。その言葉がわたしの体をぐるぐるまきにしているのがわかったの」
「ぼくね、中ちゃんのそういうとこ、うらやましいよ。ぼくだって、いやだなあっておもうことはあるよ。だけど、どうしても、いわれたとおりにしてしまうんだ」


本文より。

あらすじ
教室で「わかんない」といつも答えてしまうから学校で「わかんないちゃん」と呼ばれている少女の中はいつも学校の校門へ着くと、大きなため息をつく。
校舎をみあげると二階の窓から女の子が体をのりだして、いまにも飛び降りようとしているのだ。でも、目をつぶって二階をもう一度見ると窓はしまっている。

ある日、犯罪研究に興味があるという仲良しの幼馴染のセンくんから、近所であやしい動きをしている人を見つけ、中も一緒に見張り調査をすることに。

わからないことを抱えて生きる子ども達、大人達がそれぞれのいるべき場所と答えを探していく。

装画は日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

98
児童書?YA。酒井駒子さんの絵のイメージか大人びた文章のせいか児童書ぽくない▽小学4年生の中(なか)の両親は別居した。ママは「これからはハハ」と呼んでくれという。中の口癖は「わかんない」頭の中でぐるぐると考えが浮かぶけれどわからなくなって結局「わかんない」としかいえない。幼馴染のセンくんは、いつも大事件を見つけてくる。中はセンくんと一緒に怪しい男が覗いていた家を見に行く▽自分にしか聞こえない自分の居場所はここじゃないって声は、思春期特有なのかと思っていましたが大人でもあるのかも。2025.4刊2025/06/19

雪丸 風人

15
個性を受け容れることの大切さが芯にまで響いてくる物語。主人公は学校になじめない小学四年生です。教室で「わかんないちゃん」とからかわれる彼女が、せま苦しい世界で苦しみ抜いた末に驚くような決断をします。不適応ですって!間違っているのはどちらなのか?共感のあまり、ひたすらそう感じました。みんなと同じにできないことに葛藤する少女の日常が強烈なまでに胸に迫りましたよ。きれいな心のまま成長することは勉強や運動ができることなんかよりず~っと尊いものだとしみじみ感じることができる作品でした。(対象年齢は10歳以上かな?)2025/04/28

芦屋和音

5
小4の中(なか)は学校で「わかんない」と言うことで笑われている。でも母は考えた挙げ句の「わかんない」は素晴らしいと言う。童話作家でもある母の言動は親として見習いたい。隣に住むセンくんとのやり取りも面白かった。周りに流されず自分の心の声にきちんと寄り添う中ちゃん。表紙絵がピッタリ。2025/06/30

遠い日

5
学校で「わかんないちゃん」と嗤われている小四の中。自分の気持ちに正直になればなるほど、クラスでの居心地は悪くなる。自分でもどうにもならない「わからない」こととじっと向き合うことができる中は、偉いと思う。「わからない」に行き着くまでの思考がちゃんとあるからだ。中の幼なじみのセンくんの個性もすてきだ。中のハハとチチも、自分たちのこれからのために別居することにした、我が道を行く人たち。 中の選択や希望を優先してくれる両親のスタンスが好きです。何も解決はしていないけれど、中が一歩を踏み出したのは確かなこと。2025/04/23

弥都

4
「わかんない」って難しいと思った。大人も子どももわかんないという掴みのないテーマの本だった。現実もそうなんじゃないかなと思う。こうだとかああだとか悩み時に打ち消しながら皆が自分や家族や他人の人生を歩いているんじゃないのかな。その答えが正解になるのはずっと先のことだから。髪に黄色いリボンを結んでる女の子の描写があとになって黄色いブラウスを着た女の子になっているのは正体が中だと示唆させるためなのか。きっと、「わかんない」から抜け出せなかった主人公だと私は思う。いつか踏み出せるように私も「わかんない」を生きる。2025/06/16

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