内容説明
なぜ山火事はここまで巨大化したのか?
その答えは、気候変動だけではなかった──。
『絶滅できない動物たち』で絶賛されたジャーナリストが、
破滅的災害の最前線で自ら消火/火入れに参加し、取材。
「文化的火入れ」を守ってきた先住民、
火で炎を制する森林火災消防士、
「火災生態系」に連なる研究者たちとともに、
忘れ去られた「森と火と人」の関係性を解き明かす。
“人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、
人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
133
世界で頻発する山火事は、家や財産を焼き大気汚染の原因としてしか報じられない。アメリカでも火災は悪と見なされ、特に放火は厳罰に処されてきた。しかし生態系のバランスを維持するため一定の山林火災は不可欠と知っていた先住民は、よりよい自然環境を作るため計画的な火入れを行って山火事をコントロールしてきた。こうした先住民の知恵が再評価され、制御された火事を起こすことで危険な森林火災防止を図る専門家集団が全米に誕生している。火を悪ではなく共存相手とする「火新世」が森の再生手段という訴えは、鎮火こそ正義という常識を覆す。2025/08/31
jackbdc
14
焼くのと焼かないの二択でいえば、雷とか自然現象で発火はあっても、動物界で火を着けるのはヒトだけ。ヒトは傲慢だ、火を着けるとは何事か!という見立ては安易で人間のウェルビーイングを窮屈に、イヤ成り立たなくさせると気付く。未開のジャングルや極地を除き、ヒトの傍に現存する自然環境の多くは人類数万年の試行錯誤の結果として自然と人の共存が突き詰められたものといえるのかもしれない。本書が引用するアメリカインディアン的な火入れの習慣は日本では?とググったがアイヌでも見られないようで、気候や植生の違いを反映するのかも。2025/08/14
カズユキ
4
英治出版さんのモニタープログラムで受け取りました。 これはまさに火に焦点を当てた内容です。 著者さんが火に魅了されたのは読んでいけばわかりますが、それ以外でも 「森林火災消防士の仕事」 「森と火の関係」 「先住民による文化的火入れ」 などの詳細な分析と説明は、著者さんが目にしたことが映像として浮かんでくるようでした。 私も森林火災は悪いイメージがありましたが、必要な場合があるというのは驚きです。 これを読めば、火に対するイメージが変わることは間違いないでしょう。 自然や火に詳しい方なら面白さ倍増ですね。2025/05/28
げんさん
3
木はヨーロッパ人の入植時に、燃料や木陰、建築材が必要なので植えられたものだ。その後、1930年代の黄塵地帯が原因で再び植樹競争が始まり、牧場主はシーダーを家畜のため防風林にした。やがてそのシーダーが草地を覆い尽くし、草原地帯にはびこり、1年あたり25万エーカー以上という規模でプレーリーを侵食したため、どこも均一な森林に変わってしまった。植樹信仰を否定する話をはじめて知った。2025/12/21
Ttyhys
3
計画的な火入れは、森の維持に必須。 アメリカで近年、森林火災が多く理由が解った。 著者が本当に火入れの場にいる臨場感が伝わりました。 https://www.nytimes.com/2024/11/24/opinion/wildfires-new-york-new-jersey-prescribed-burn.html2025/07/27
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