内容説明
【俗世というジャングルをサバイブする男女はアニマルか。グランドホテルならぬグランド古マンション形式の物語は、混沌として続いてゆく。――桐野夏生氏】2025年に取り壊しが決まっている期限つきの“棲み処”。自ら鎖のない生活を選んだはずが、「しがらみ」となる犬を飼いたい気持ちが抑えきれない鮎美。与えられた「長男の権力」を放棄したい小学生の李一。母の恋人のことが心底気にくわず、二人を別れさせたい女子高生の羽衣。40歳目前、人生の選択を先送りする最良の方法だと考え卵子凍結を始めた有希子……。さまざまな「欲望」を抱える7人の物語を収録。
目次
204号室 二十八歳は人のお金で暮らしたい
403号室 四十三歳はどうしても犬が飼いたい
402号室 八歳は権力を放棄したい
501号室 十七歳はこたつで美白に明け暮れたい
309号室 三十三歳はコインロッカーを使わない
403号室 三十九歳は冷たい手が欲しい
1階 二十六歳にコンビニは広すぎる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花ママ
63
取り壊しが決まっている古いマンションに済んでいる人々の7年からなる連作集。「ギフテッド」以来。 いずれに登場する人にも、感情移入できなかった。 図書館からの返却期限が迫っていて、駆け足で読んだせいなのか。なんか読後感スッキリせず。2025/05/16
日の丸タック
36
どこに収斂するのか?それぞれのストーリーはささやかな絡まりを持って進み、大きく影響しあうことなく着地する。 それぞれの内面描写が細かく続き、自己分析もダラダラと続く。 それぞれの年齢ごとに課題は明確になり、そしてその課題解決に突き進んだり戻ったり…はたまた見過ごしたりスルーしたり。 それぞれ進んできた道も、年と共にまた時間の経過と共に移り変わり過ぎて行く。 取り止めのない話が取り止めなく続く。それがそれぞれの日常で、決してリンクする事もする必要もない日常なのだと思う。2025/07/06
たっきー
17
取り壊しがきまっているマンションで暮らす人たちの物語。今回の連作短編集はこれまでの鈴木さんの作品と比べて、重さは通じるけど明るさもあって面白かった。カバーイラストの雰囲気も好き。2025/05/04
ロア
16
劇的なことは起きない日常を、きっとみんなこんな風に暮らしてるのかもね(*´ω`*)たくさんの登場人物たちが色んなことを考えて生活している様は、人間観察的な視点で楽しめました。ホストのルイ様の話が印象的。2025/08/23
遙
16
初読作家さん。物語の展開よりも、その人物の人間性に重きが置かれている。取り壊しが決まっているマンションに住む各部屋の住人達のエピソード、コンカフェに勤め日々流されて生きる女、三人兄弟のできる長男坊、母子家庭で奔放な母を持つ娘などが、限られた古いマンションでの生活をどのように過ごしているのかが垣間見える。 何か大きな事件が起きる訳でもなく、ひたすらリアルな日常が淡々と綴られていく限りではあるが 鈴木さんの文章は嫌いではなく、引力のように惹きつけられました ラストの話がエピローグ風で、良い締めでした。2025/04/06
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