内容説明
「ニジノサクラを一つくださいな」吉田須美子の友人、小松原育代が営む生花店にやって来た少女はそう言った。二人が首をひねっていると少女の母親が、病床にある祖父からその花の名前を聞き、探しているのだが見つからない、と言う。須美子は名探偵だから解決できる、と先走る育代に“待った”をかける須美子だったが――。ご存じ浅見家のお手伝い・須美ちゃんが、身の回りの謎を解決する、人気シリーズ第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅さん。
13
今回は、桜にまつわるお話3編。 桜って、ミステリと親和性が高い気がする。 花筏というと、弘前城のイメージが強い。 またいつか見に行きたい。GW後半に行くとちょうどお濠が素晴らしい状態で。 この本に登場の花筏はシェイクスピア劇でのオフィーリアが浮かんだもので、儚く美しいイメージがオフィーリアにぴったり。そこに込められた意味にはびっくり。そんなことができるんだ!素敵。 虹の桜も奇跡の桜も美しい。 ただ、ほんっとあの人だけは苦手、、、2025/05/28
歩月るな
7
桜にまつわる連作短編集、人と人の縁が繋がり笑顔の輪が広がる……そういう主題を守っているからこそ、過去を解きほぐす形式が結実していると思うからこそ、シビアな現実にも目を瞑らない、そういう強さもしっかりある。花春探偵事務所の助手1号2号との推理対決(?)も普段と違ってビター。2025/04/30
びぜんや
4
今回も「日常の謎」ミステリとしてきれいにまとまっていますし、飛鳥山・西ヶ原あたりを舞台に「桜」をテーマとした連作としてきれいにまとめ、完成度を上げてきましたね。要所要所に光彦が登場してファンアイテムとしての満足度を十分に満たしていますし、ホロリとさせるフィニッシュも本家譲り。ミステリとしてはちょっと強引かなと思わないでもないですが、そこに目をつぶれるだけの満足度を備えています。★★★★☆2025/05/10
ますみ
2
須美ちゃんの謎解きレベルが、だんだん上がってきてますね。人柄といい、若いのにしっかりしてるなぁと感心してしまいます。最後はちょっと悲しかったけれど、来年はみんなでお花見してほしいな。2025/08/21
カフェイン
2
浅見光彦の外伝シリーズではあるが、新作が読めるのはありがたい。2025/05/30