内容説明
受給者数が10年で半減――何が起きていたのか?
保護費を毎日1000円だけ手渡し、残りは金庫にしまうなど、信じがたい運用が発覚した桐生市の生活保護行政。助けを求める市民を威圧し、支給を徹底的に削る姿勢が、次第に明らかになっていく。支援と取材の現場から迫ったルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
56
この事件、かなりショックを受けた記憶があります。この国は、弱者に対して、あまりにも無関心であり、かつての優生保護主義を想像させるような排他主義に向かっているように感じます。恐ろしいです。確かに不正受給を行う者もいて、その対策となると、とてもセンシティブなので難しいとは思います。群馬県だけでなく、どこの自治体でも、似たり寄ったりのことは起きているんだと思います。やはり、後味の悪さは拭えません。2025/06/24
こばまり
38
本制度のあり方、運用については様々に意見があろうが、実に腹立たしいのが本来であれば粛々と窓口業務を行うに過ぎぬ一自治体の一職員、一部署が生殺与奪の権を握ったかのような振る舞いを傲然とし続けてきたことだ。小田原のジャンパー事件を彷彿とさせる。2025/04/09
二人娘の父
14
行政についてこれほどの衝撃を受けるとは...。言葉は沢山頭の中に浮かぶが、出力ができないほどの衝撃。なぜ公務員である自治体職員が、ここまで人間の尊厳を踏みにじり、平然としていられるのか。私たちの想像もできないところで、この国の支配勢力は、私たち国民にとんでもない牙をむいているのではないか。背筋が寒くなるような、足元が脅かされるような不安に包まれる。なぜ桐生市がこれほど突出した人権侵害を行ってきたのか。謎は深まったし希望は見えない。心が折れるような読書体験。2025/05/12
itchie
9
桐生市のやり口、いろいろ異様だが、福祉事務所に警察OB、しかもマル暴経験者を据えるというのがえげつない。生活困窮者をまるで反社のように扱っている、と言っても大げさではない。ただ、過去10年間の生活保護率の減少幅で桐生市はワーストではなく、もっと減少率が大きい自治体が10もある。生活保護の補足率は2~3割で、行き届いていないことのほうが問題なのに、あの手この手で保護件数を減らす自治体は全国にある。桐生市だけの問題ではない。「日本人ファースト」なんてイヤな言葉が流行っているけど、これこそ目を向けるべき搾取だ。2025/07/06
なおぞう
5
桐生、生活保護ヤバいってよ度:★★★★群馬県桐生市の生活保護がやばい噂を耳にしたことがある。一日1,000円ポッキリで生活せよ、と何度も理不尽な通告。生活保護費を出したくないなんて生活保護は国税でしょうに、何でそんなにシブチンなんでしょう?低く抑えた方が褒められるのか?しかも窓口に元警察を並べるのもあからさまだし。このなぜシブチンなのかが明らかになっていないのが残念。桐生市だけじゃないだろうと思っていたら、他の群馬県の市もやってたらしい。うちの市は大丈夫なのか?まあコンビナートで潤っているから大丈夫か。2025/06/07