内容説明
詩歌の歴史は、人々の美感や美意識の歴史である。とりわけ、中国古典詩は、「抒情の器」として数多の名詩を生み出してきた。本書は、そうした歴史のなかから、「詠懐」「山水」「情愛」「飲酒」「自適」など12の章に分類し、主要作品を紹介。個々の作品の鑑賞を通して、それぞれの主題に関わる詩的時間の推移が追体験されることを目指している。詩の選択にあたっては、中国の詩歌史における源泉的作品、典型的な表現効果のある作品、独自の表現効果をもつ作品、という3つの観点からなされた。中国詩の広さと高さを伝える珠玉のアンソロジー。
目次
美の歳月──序に代えて/一 詠懐のうた──わが心わが思い/幽州台に登る歌 陳子昂/秋風の辞 漢の武帝/生年は百に満たず 無名氏/詠懐(夜中 寐ぬる能わず) 阮籍/詠懐(一日 復た一夕) 阮籍/雑詩 陶淵明/企喩歌 無名氏/惜しむ可し 杜甫/酒に対す 白居易/閑吟 白居易/秋来たる 李賀/九日 斉山に登高す 杜牧/新花 王安石/意に得る所有りて 数絶句を雑書す 袁枚/懐を書す 袁枚/憂患を賦す 自珍/金縷るの衣 杜秋娘/二 詠物のうた──実相を求めて/初月 杜甫/中秋の月 蘇軾/秋夜の月 劉基/蛍を詠ず 梁の簡文帝/蛍火 杜甫/房兵曹の胡馬 杜甫/猿 杜牧/鷓鴣 鄭谷/白牡丹を詠ず 韋荘/山園の小梅 林逋/北陂の杏花 王安石/秋柳 王士禛/苔 袁枚/瑯 王の歌辞 無名氏/笛を聞く 劉吉甫/三 情愛のうた──愛の深層/上邪 無名氏/子衿 詩経〔鄭風〕/桃夭 詩経〔周南〕/迢迢たる牽牛星 無名氏/碧玉の歌 無名氏/玉階怨 謝 /玉階怨 李白/沈園 陸游/七歩の詩 曹植/九月九日 山東の兄弟を憶う 王維/舎弟宗一に別る 柳宗元/子を責む 陶淵明/金鑾子を念う 白居易/遊子吟 孟郊/蓼莪 詩経〔小雅〕/冬日小病み 家書を寄せて作る 自珍/四 友情のうた──思念と信頼/范曄に贈る 陸凱/王琳に寄す 信/春日 李白を憶う 杜甫/李白を夢む 杜甫/人日 杜二拾遺に寄す 高適/春夢 岑参/柳州の城楼に登り 汀封連の四州に寄す 柳宗元/八月十五日夜 禁中に独直し 月に対して元九を憶う 白居易/楽天の 江州司馬を授けらるるを聞く 元匇/江上にて介甫を懐う 曾鞏/黄幾復に寄す 黄庭堅/五 戦乱のうた──戦いの本質/隴西行 陳陶/陟 詩経〔魏風〕/何の草か黄まざらん 詩経〔小雅〕/国殤 屈原/垓下の歌 項羽/七哀の詩 王粲/兵車行 杜甫/己亥の歳 曹松/岐陽 元好問/癸巳 五月三日 北に渡る 元好問/江北の流民を睹て感有り 周実/涼州の詞 王翰/六 飲酒のうた──日常性をこえて/山中にて幽人と対酌す 李白/飲酒(秋菊 佳色有り) 陶淵明/酔後 王績/友人と会宿す 李白/陶潜の体に効う詩 白居易/清明 杜牧/酒を勧む 于武陵/花下に酔う 李商隠/酒家に題す 韋荘/酒に対す 陸游/月下独酌 李白/七 山水のうた──風景の発見/絶句(遅日 江山麗しく) 杜甫/江南 無名氏/東田に遊ぶ 謝 /勅勒の歌 斛律金/鳥鳴丨 王維/廬山の瀑布を望む 李白/絶句(両個の黄 翠柳に鳴き) 杜甫/江雪 柳宗元/暮江吟 白居易/鍾山即 王安石/湖上に飲むに 初めは晴れ後に雨ふる 蘇軾/西林の壁に題す 蘇軾/水の上にて手を盥う 高啓/秦淮雑詩 王士禛/八 懐古のうた──滅びしものへ/黍離 詩経〔王風〕/蘇台覧古 李白/越中覧古 李白/薊丘覧古 陳子昂/易水送別 駱賓王/烏江亭に題す 杜牧/烏江亭 王安石/虞美人草 曾鞏/咸陽城の東楼 許渾/蜀相 杜甫/赤壁 杜牧/烏衣巷 劉禹錫/秦淮に泊す 杜牧/ 河の曲 李益/滕王閣 王勃/行宮 元匇/馬嵬 袁枚/九 羈旅のうた──異郷に在って/悲歌 無名氏/去る者は 日に以って疎し 無名氏/隴頭の歌辞 無名氏/人日 帰るを思う 薛道衡/早に白帝城を発す 李白/旅夜 懐いを書す 杜甫/除夜の作 高適/楓橋夜泊 張継/昔遊を念う 杜牧/商山の早行 温庭﨏/船を瓜洲に泊す 王安石/澄邁駅の通潮閣 蘇軾/金陵駅 文天祥/端陽 相州の道中 張問陶/漢江 杜牧/十 離別のうた──去りゆくもの/淮上にて友人と別る 鄭谷/別れの歌 李陵/応氏を送る 曹植/金谷の聚い 謝 /范安成に別る 沈約/送別 無名氏/杜十四の江南に之くを送る 孟浩然/芙蓉楼にて辛漸を送る 王昌齢/黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る 李白/重ねて裴郎中の吉州に貶せらるるを送る 劉長卿/謝亭の送別 許渾/陳秀才の 沙上に帰り墓に省するを送る 高啓/人の巴蜀に之くを送る 呉文泰/元二の安西に使するを送る 王維/十一 経世のうた──人の世のために/農を憫れむ 李紳/大風の歌 漢の高祖/春 左省に宿す 杜甫/石壕の吏 杜甫/? 顧況/山中の寡婦 杜荀鶴/児に示す 陸游/臨安の邸に題す 林升/乱の後 辛愿/己亥雑詩 自珍/十二 自適のうた──執われぬ心を/江村 杜甫/滄浪の水 無名氏/園田の居に帰る 陶淵明/飲酒(廬を結んで人境に在り) 陶淵明/詔にて「山中何の有る所ぞ」と問うに詩を賦して以って答う 陶弘景/田園楽 王維/水檻にて心を遣る 杜甫/香炉峰下 新たに山居を卜し 草堂初めて成り偶 東壁に題す 白居易/禅院に題す 杜牧/起くるに懶きの吟 邵雍/夏日 田園雑興 范成大/老態 趙孟 /梅村 呉偉業/食飽く 白居易/詩人小伝/あとがき/解説(赤井益久)/中国名詩地図/詩題索引
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