ちくま学芸文庫<br> 日本文学史序説 (下)

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ちくま学芸文庫
日本文学史序説 (下)

  • 著者名:加藤周一【著者】
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  • 筑摩書房(2025/03発売)
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  • ISBN:9784480084880

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内容説明

日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。◆下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

目次

第八章 町人の時代/教育・一揆・はるかな西洋/文人について/富永仲基と安藤昌益/心学について/忠臣蔵と通俗小説/平賀源内と蘭学者たち/梅園と蟠桃/本居宣長/上田秋成と国学者たち/歌舞伎と木版画/笑いの文学/第九章 第四の転換期 上/近代への道/国体と蘭学/詩人たち/日常生活の現実主義/町人の逃避/農民たち/第十章 第四の転換期 下/吉田松陰と一八三〇年の世代/福沢諭吉と「西洋化」/中江兆民と「自由民権」/成島柳北と江戸の郷愁/一八六八年の世代露伴と鏡花/鈴木大拙と柳田国男/子規と漱石/ 外とその時代/内村鑑三と安部磯雄/「自然主義」の小説家たち〈一〉/「自然主義」の小説家たち〈二〉/幸徳秋水と河上肇/有島武郎と永井荷風/第十一章 工業化の時代/一八八五年の世代/谷崎潤一郎と小説家たち/木下杢太郎と詩人たち/一九〇〇年の世代/マルクス主義と文学/芥川龍之介とその後/外国文学研究者と詩人たち/三つの座標/終章 戦後の状況/戦争体験について/「第二の開国」について/高度成長管理社会について/あとがき/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

26
下巻は18世紀から20世紀。普通の文学史では取り上げない大塩平八郎や中江兆民などの思想家にもページが割かれて、思想史としても読める。明治維新で区切る従来の文学史と違って19世紀全体を大きな転換期と捉えることで全く新鮮な視野が開ける。泉鏡花や永井荷風と江戸文学とのつながりはいうまでもなく、たとえば江戸後期のおかげまいりやええじゃないかのような自発的無政府的な大衆の運動と、維新後の自由民権運動や米騒動とのつながりも見えてくる。このころまでの日本人は反体制的なエネルギーに満ちていたのだよな、と思う。2019/12/14

Major

16
概論的な文学史ではない。だから『文学史序説』なのである。つまり「(加藤が意図する)新たな概論的文学史のための序説(試論)なのである。「序説」ですでにこの堅牢で緻密な論述の建築物を作り上げている。その土台となる膨大な書物、文献資料等の読込みに費やした著者の労力は、誠に想像を絶する。著者の日本文学史(ほとんど日本精神史)観に立ち、この1300年以上もの間に滔々と流れ続けるディスクールの大河の流れを鳥瞰すれば、それまで常識的に(慣例的に)取り上げられてきた作家を俎上に載せないこともありうる。4つのコメントへ2017/08/28

マッキー

16
やっと読み終わった。石川淳、鶴見俊輔、安部公房、安岡章太郎、そして谷崎潤一郎・・・、近代、近現代は自分の専攻なので読んでてすごく刺激的だった。自然主義文学についての洞察もなかなかうなずけるものがある。個人の思想や文学的特徴、時代背景をも含めたマクロな文学史、読んで損はないと思う。2016/07/31

羊山羊

13
文学史、という形を取って、日本の文化史や精神史を総ざらえする1冊だ。谷崎潤一郎の当たりからは俄然興味を持って読めた。難しくて全ては理解できないが、学びの多い1冊。2022/07/18

K.iz

11
無人島に本を持って行くとしたら?と問われればこの上下巻を選ぶ。で、食料も探さずむさぼり読んで、三日もたたずに干からびるだろう。再読して気づいた点①やはり論理構成が巧み②だけでなく往々にして能弁となる文章は詩人の感性がある。この感性は作品の選定や評価にまで及び、実は客観性を損なっている。が、だからこそ無乾燥な教科書と異なり魅力がでる③行間から感じるのは、必要な本は全て自分で読み、考えた事からくる自信。多読で有名な人は多いが、論理的な手法を知る人は少なく、かつ詩人となるとさらに少ない。だからこの本は貴重。2015/03/20

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