内容説明
日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。◆下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。
目次
第八章 町人の時代/教育・一揆・はるかな西洋/文人について/富永仲基と安藤昌益/心学について/忠臣蔵と通俗小説/平賀源内と蘭学者たち/梅園と蟠桃/本居宣長/上田秋成と国学者たち/歌舞伎と木版画/笑いの文学/第九章 第四の転換期 上/近代への道/国体と蘭学/詩人たち/日常生活の現実主義/町人の逃避/農民たち/第十章 第四の転換期 下/吉田松陰と一八三〇年の世代/福沢諭吉と「西洋化」/中江兆民と「自由民権」/成島柳北と江戸の郷愁/一八六八年の世代露伴と鏡花/鈴木大拙と柳田国男/子規と漱石/ 外とその時代/内村鑑三と安部磯雄/「自然主義」の小説家たち〈一〉/「自然主義」の小説家たち〈二〉/幸徳秋水と河上肇/有島武郎と永井荷風/第十一章 工業化の時代/一八八五年の世代/谷崎潤一郎と小説家たち/木下杢太郎と詩人たち/一九〇〇年の世代/マルクス主義と文学/芥川龍之介とその後/外国文学研究者と詩人たち/三つの座標/終章 戦後の状況/戦争体験について/「第二の開国」について/高度成長管理社会について/あとがき/索引
感想・レビュー
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松本直哉
Major
マッキー
羊山羊
K.iz