内容説明
幻想怪奇文学の巨匠・夢野久作による時代小説をすべて収録。復讐に向かう見目麗しい若侍との出会いから始まるミステリー「斬られたさに」ほか、怪しげな雰囲気をまとった全5編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
63
時代小説も夢野久作に掛かれば、あら不思議!外連味と諧謔と皮肉のエッジが効いた「切られたさに」や「忠君忠之」は映画『切腹』に先んじて武士道の形に囚われるが故の非人情を痛烈に抉り取っている。特に後者のお涙頂戴なラストも「いや、これって忠之が自ら正しにいけば、よかっただけやん。癇癪だけ起こしていた男を何、美談にしとんの」と醒めた目で見てしまうのです。一方、「名娼満月」は娼妓に袖にされた男たちの復讐のための奮起譚の着地点が意外すぎる。「白くれない」も運命が追いかけてくると見せかけての現実的な事実を使った呪いが絶妙2025/01/16
Kotaro Nagai
7
夢野久作の時代小説を集めた短編集。昭和9年~11年の「斬られたさに」「名君忠之」「白くれない」「名娼満月」「狂歌師赤猪口兵衛」の5編を収録。これで久作の時代物はこれでコンプリート。独特のくせのある文体で好き嫌いが分かれる作家だが時代物は意外とくせがない文章。「白くれない」は作中作を読まされるがやや文語調で読みづらいが久作らしい趣味が伺われて面白い。「赤猪口兵衛」は新聞掲載を予定しながら拒否され、生前未発表でちくま文庫版全集から漏れた作品。捕り物帳の推理もので、赤猪口兵衛の推理がユニークで面白く読めた。2025/04/28
ベルディ
3
夢Qの時代小説を全て収録。『斬られたさに』『名君忠之』は武士道の悲劇と斬ることの美徳・甘美を見事に描いていると思われる。 『狂歌師 赤猪国兵衛』は夢Q唯一の探偵小説である。探偵アンチの夢Qゆえに、その造形は一筋縄ではいかない。推理でなく掃溜で得た情報を開示する斬新な非人(乞食)探偵だった。2025/07/15
kanamori
1
☆☆☆2025/05/03
ウミウサギ。
0
夢野先生が時代小説を書いてたなんて、本書を手に取るまで知らなかった。 時代小説は自分には難しく、ところどころ目が滑ってしまった箇所があるが、それでも彼の独特の文体を味わえて満足した。2025/04/15
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