内容説明
マーサズ・ヴィンヤード島に暮らす14歳のメアリーは,ボストンの屋敷に囚われたろうの少女を助け,手話を教えてほしいと,依頼を受ける.希望を胸に旅立ったメアリーだが,屋敷は大いなる秘密を抱えていた.少女は誰なのか,救いだすことはできるのか.ろうの作家による話題の歴史フィクション『目で見ることばで話をさせて』続編.
目次
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
作者による解説
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茜
45
本書は「目で見ることばで話をさせて」の続編です。前作と同様に手話の部分は<>でくくってあり、声での会話は「」で、声と同時に手話で話す部分は《》で書かれていて、それがとてもスムーズに読めるのが良いと思いました。前作で誘拐されて、今はマーサズ・ヴィンヤード島に戻った、メアリーの元に一通の手紙が届きます。ヴェイル屋敷という立派な屋敷に閉じ込められた少女を助けて欲しいという主旨の手紙です。屋敷の執事がこれまた極悪人かと思うほどの人物でイライラさせられました。2025/03/17
joyjoy
14
ある少女を救おうと決意するメアリ―。誘拐事件という過去から逃れられずとも、この役割をとおして、少しずつ自分自身の未来も見すえ始める。彼女が紙に書き出して考えをまとめる場面が何度かあったが、赴いた先では読み書きができない(許されない)者もいた。読み書きすること、話すこと、そして考えること。どれも自由への手がかりかも。また、そこで手を使うことにも意味がありそうだ。「この世に欠けているのは正義であって、慈愛ではない」という言葉をメアリーは支持するが、自分は素直には頷けない。なぜかを考えてみるべし。続編にも期待。2025/04/28
ぽけっとももんが
13
盛りだくさんすぎて息切れ。そもそもメアリーがヴェイル屋敷に家庭教師として呼ばれたのに、極悪執事は「あの子」に会わせようとしない。そもそも会わせるはずがない、閉じ込めて放置しているのだから。なのに許可したんだ?そのあたりのちぐはぐが気になって、メアリーの活躍もわたしの中では空回り。もちろんメアリーとベアトリスには幸せになって欲しいと思うけれども。つまり、続編として期待したのは刺激的なサスペンスではない。教育機会がなかったろうの女の子の家庭教師、ではだめだったのかな。2025/06/22
Incisor
9
3年前の誘拐事件という理不尽な出来事に、いまだ恐怖心にさいなまれながらも屈することなく、自分の道を強い信念とともに突き進んでいくメアリー。感覚をとぎすまし、考えをめぐらせて屋敷に閉じ込められた少女を救っていく過程には、またさまざまな差別と障害がたちふさぐのだけど、決してあきらめないメアリーは勇敢で豊かな愛情があふれている。14歳のメアリーのこの先の可能性がきっと明るく広がっていくのではと思う。続編があると知り、出版が楽しみ。2025/04/25
ぱに
8
目で見る言葉で話をさせて続編。前作からの展開の本当に続きなので前作を読み返してから読むのがベスト。今回も諦めないメアリーが素敵だった。耳が不自由な人、字が書けない人、手話を含む異なる言語を話す人、みんながわかりあうことの困難さを感じる部分を経ての繋がりができていくところがすこく感動的だった。アメリカへの入植の際の恐ろしい出来事や独立戦争におけるイギリスへ味方した人がいたことなど、知らなかったことにも触れられアメリカの歴史を学べる部分もとてもいい。力強く進むメアリーをまだまだ見たいので続編も期待2025/05/10
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