中公新書<br> 平等とは何か 運、格差、能力主義を問いなおす

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

中公新書
平等とは何か 運、格差、能力主義を問いなおす

  • 著者名:田中将人【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2025/03発売)
  • 冬の読書を楽しもう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~1/25)
  • ポイント 225pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121028464

ファイル: /

内容説明

かつて一億総中流といわれた日本。
いまや格差が広がり、社会の分断も進んでいる。

人生が親ガチャ・運しだいでよいのか。
能力主義は正しいか。
そもそも不平等の何がわるいのか。

日本の「失われた30年」を振り返り、政治哲学と思想史の知見から世界を覆う不平等に切り込み、経済・政治・評価上の平等を問いなおす。
支配・抑圧のない、自尊を下支えする社会へ。
財産が公平にいきわたるデモクラシーの構想を示す。


■目次
はじめに

第1章 不平等の何がわるいのか?
本書の特徴  前口上――なぜ平等・不平等を考えるのか  不平等から考える――不平等に反対する四つの理由  ①剥奪――貧窮ゆえの苦しみ  ②スティグマ化――傲りと卑屈、そして差別  ③不公平なゲーム――人生の難易度の変化  ④支配――非対称的な関係の固定化  みえやすい不平等・みえにくい不平等  窮民問題――貧困にあえぐ社会  寡頭制問題――少数が牛耳る社会  健康格差問題――寿命が短い社会

第2章 平等とは何であるべきか?
平等を支持する四つの理由  ①生存・生活の保障――充分主義  ②恵まれない立場への優先的な配慮――優先主義  ③影響の中立化――運の平等主義  ④支配関係がないこと――関係の平等主義  平等の要点――「局所的な平等化」をこえて  三つの不平等の区別――差別・格差・差異  格差原理と(不)平等  差異ゆえに平等

第3章 平等と能力主義
アファーマティブ・アクション  AA――五段階の規範  正義と能力主義  公正な能力主義はゴールか?  能力の測定問題とガラスの天井問題  能力主義の専制  正義と功績をいったん切り離す  機会の平等を見直す――スキャンロンの三段階モデル  まとめ――財産所有のデモクラシーへ

第4章 経済上の平等――社会的なもの
『21世紀の資本』のインパクト――r>g  『資本とイデオロギー』――格差はつくられたものである  アンダークラスの出現  財産所有のデモクラシー①――社会的なもの  日本型福祉社会の問題  事前分配・当初分配  人的資本のストック  職場環境の正義  ベーシック・インカム  タックス・ジャスティス

第5章 政治上の平等――共和主義
誰が統治するのか――政治家のキャリアパス  なぜ世襲政治家は多いのか  経済力の政治力への転化  徒党の発生をいかに防ぐか  財産所有のデモクラシー②――共和主義  政治資金規制とメディア宣伝  パブリック・シングス――公共性のインフラ  公共財としての仲介機関――政党とメディア  政治バウチャー  クオータ制  ロトクラシー――くじ引き民主制

第6章 評価上の平等――複数性
絶望死、遺伝と能力  時間どろぼう――エンデ『モモ』  財産所有のデモクラシー③――複数性  自尊の社会――配達員の仮想演説  評価集団の多元化――複合的平等  正義と多元性  財産と富  〈自分自身〉であるためのデモクラシー  「自己の内なる体制」

おわりに――平等についての六つのテーゼ

あとがき

注記一覧  図版出典  参考文献  読書案内

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

127
第1章のタイトル「不平等の何が悪いのか?」を見て、そこからスタートするの?と驚く。しかし、徐々に著者の真意がわかってくる。「機会の平等は必要だが結果の平等は不要」という安易な考えや自業自得論のような暴論が罷り通る中で、平等の本質をとらえる規範研究の立場が重要であるという著者の思いをしっかりと受け止めた。差別/格差/差異はどう違うのか、能力主義と優先主義の関係は、などの課題が提示されるが、常に、自らの考えを明確に示す著者の姿勢はとてもフェア。ただ、後半の実証的議論が各論羅列的になってしまったのは、少し残念。2025/07/01

ぴー

80
中々面白い本だった!自分は政治哲学分野に無知だが、「平等」とはそもそも何か、「不平等」はなぜダメなのか、という問いに興味をもち購読。剥奪、スティグマ化、不公平なゲーム、支配が不平等だと述べられた上で、現代社会における不平等是正について論が展開されていた。特に後半の政治分野に関しては、筆者の思いが込められていた。個人的に印象に残ったのは、初等教育や中等教育の充実の箇所だった。自分の子どもや、次の世代の子が頭をよぎる。一般向けに書いたと筆者も述べていたので、テンポよく読むことができた。再読したい一冊です。2025/05/24

skunk_c

74
ロールズ研究者の手による平等をめぐる政治哲学論。ロールズはもちろん、サンデル、ピケティ、アーレント、そしてプラトン(ソクラテス)と幅広い視野で語られる。文章はすっきりしていて読みやすいが、テーマがテーマだけに本質的にはかなり難解と思った。それを様々な整理の仕方で説明しており、読んでいるうちは「分かったつもり」になるのだが、経済、政治、理念と章ごとにテーマが変わると、前の議論が何だったかおぼろげになる。自分の脳みその老化かなぁ。そういう意味で「おわりに」で6項目に整理されたまとめがあるのはありがたい。2025/05/06

なかしー

49
同じ中公新書ジョン・ローズの共著者の1人。不平等の何が悪いのか?根っこから考える。言葉の使い分け差別、格差、差異とか。AAみたいな行為は逆差別では?→逆格差という考え方(これだけは持ち帰ってほしい)を用いて、混同しやすい表現を分解している。ココいつも引っ掛かってました。同じ言葉が充てられていれ、AAなどの差別に対する是正措置すること自体が逆差別になるという話。2025/07/14

venturingbeyond

43
齋藤先生との共著である中公新書の前作『ジョン・ロールズ』で明晰判明なロールズ解釈を読ませてもらった田中先生の新著。ロールジアンの面目躍如ともいえる一冊で、リベラリズムの観点から不平等のもたらす悪影響を具体的に列記し、これを「平等」の観点からどのように是正していくべきかを論じた政治哲学の好著。規範理論に関心がある一般読者には、広く一読をお勧めします。2025/04/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22495253
  • ご注意事項

最近チェックした商品