NHK出版新書<br> 読めない人のための村上春樹入門

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NHK出版新書
読めない人のための村上春樹入門

  • 著者名:仁平千香子
  • 価格 ¥1,023(本体¥930)
  • NHK出版(2025/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140887400

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内容説明

「今さら読み始めるのはちょっと……」という人へ

日本最大の現役作家であり、何十カ国語にも翻訳されて文学賞も多数受賞している村上春樹は、国内では「今さら読み始められない」「読んではみたが消化不良」「設定が非現実的で苦手」とも言われてきた。本書は村上研究で博士号を取得した著者が、一般読者向けにごく読みやすい文章で、村上作品へのよくある誤解を解きつつ、どう読めば現代人にとって得るものがあるのかを示す。村上がデビューから一貫して「自由の困難さ」を描いてきたことを指摘し、『ノルウェイの森』や『1Q84』などのベストセラーから「ドライブ・マイ・カー」などの短編、エッセイやインタビューに至るまで幅広く紹介して未読者にも興味を抱かせる、新鮮な入門書。

【内容】
はじめに 苦しみ悩む人々に寄り添い、人生と向き合えるよう背中を押す文学
第一章 村上春樹の読まれ方 ――批評的読解と世界的共感
第二章 村上春樹が考える「自由」とは何か ――地下鉄サリン事件と「単純な物語」
第三章 「橋を焼いた」作家 ――三つの習慣と「意識の整え方」
第四章 『ノルウェイの森』と『1Q84』 ――ベストセラーの“謎”を解く
第五章 諸刃の剣としての「想像力」 ――「かえるくん」「ドライブ・マイ・カー」「海辺のカフカ」
第六章 資本主義社会をどう生きるか ――「交換」から「象」へ
おわりに 自ら作った壁に向き合う

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

佐藤(Sato19601027)

95
入門書だと思って読むと、その内容の深さに驚愕する。大学院時代に村上春樹を研究した著者が、村上作品/エッセイ/インタビューを読み込み、村上文学におけるテーマ「自由を生きる」に言及した著書。引用箇所を明確にしながら書いた論文だ。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/パン屋再襲撃/ノルウェイの森/ねじまき鳥クロニクル/海辺のカフカ/1Q84/かえるくん、東京を救う/ドライブ・マイ・カー」他の主要作品のポイントを詳細に解説して、村上文学を突き詰めている。これを踏まえて村上春樹を読みたくなった。2025/04/06

ころこ

48
村上作品は抽象的で、読者なりの解釈をする必要があった。そこで象徴的なものを置き換えて著者の論じたいフィールドに引き込んでいく村上批評は多かった。本書はそれをしない。恐らくそれだけでも読んでみて良かったと思えるところだ。さらに本書は批評で用いられるレトリックや、難解で背景を学習しないと理解できない学者などはほぼ出てこない。村上春樹を特権化していないが、世界中で村上が読まれる理由も納得できる。本書のキーワードは「自由」だ。だが、ギデンズのいう再帰的近代化により、世界の至るところで同じシステムが働く社会で自由を2025/12/16

syota

37
①著者は村上春樹研究で博士号を取得した方。本書では想定される読者として3パターンを挙げていて、私はそのうち「村上作品を読んではいるが、いまひとつ理解しきれず消化不良だと感じている方」に該当しそうなので、手に取った。結論としては、読んで良かった。村上文学の特質を総論として述べたあと、具体的な作品をいくつか取り上げて、詳細に論じている。今までこれが何の寓意なのかさっぱりわからなかった『パン屋再襲撃』も、60年代末の大学紛争(村上春樹の大学時代と重なる)との関連を指摘されると、なるほどと目からウロコだ。2025/08/13

特盛

34
評価4/5。村上春樹研究で海外大学博士号をとった著者による、村上批評本。元々村上春樹が分からない人向けに書かれた本だけど、村上ファンとして読んでも凄く共感できた。私見だけれど、村上春樹自体、批評や構造の枠に入れられるのは好きじゃなさそうに見える。なので、この手の本は私も敬遠して、作品の雰囲気だけ吸ってたなぁと振り返る。何故海外でも読まれるのか?著者の読み取るテーマの主題はこうだ。「自由に生きることは困難。だが自分の物語を信じられる時にそれは自分の力になる。」。作品は広めに考察され、個別また読み返したく思う2025/04/26

フム

29
図書館本。こういう本を読んでみて、自分が村上春樹の本を思ったほど読んでいなかったことに気がついた。たぶんノルウェイの森あたりまでは、読んでいたつもりなのだけれど、90年代に書かれた主要な長編作品は手付かず。昨年久しぶりに『街と不確かな壁』を読んだら、未読の長編を読みたくなった。村上は初期の頃から一貫して群れることを嫌い、消費社会や競争社会、マスメディアから距離を置き1人の時間を大切にしている主人公を描いている。そのことが読者の共感と憧れを呼んでいるという。2025/06/22

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