湿原が世界を救う - 水と炭素の巨大貯蔵庫

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湿原が世界を救う - 水と炭素の巨大貯蔵庫

  • 著者名:露崎史朗【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 築地書館(2025/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784806716785

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内容説明

いままでにない、湿原のすべてがわかる本! 湿原は多くの生き物を育むだけでなく、未来の地球環境をも左右しうる重要な機能を備えた水と炭素の貯蔵源です。他の場所では生きづらい動植物を育み、保水機能によって洪水被害を軽減し、膨大な炭素を泥炭として抱え込んで人間の生活と地球環境を支えている湿原。そんな湿原について、その形成過程から動植物相、直面している問題、そして保全・復元の展望までを楽しく解説しました。

目次

序章 人間と湿原の歴史
湿原と友達になろう
ところ変われば湿原も変わる──水たまりだって湿原
湿原の範囲を決めておこう
湿原は水を抜きには語れない
冷温帯の湿原は泥炭を抜きには語れない
湿原の植物
湿原が地域と世界のあり方を決める
誰がために泥炭は消える
誰がために湿原を保全・復元するのか
〈コラム1〉湿原研究のきっかけ

第1章 湿原の生態系と景観
ヨシスゲ湿原
ミズゴケ湿
同情するなら水をくれ
地形学・地理学での湿原分類
統一見解はなくても湿原は存在する
湿原生態系と湿原景観
湿原は里山景観の必須アイテム
北海道に里山はあるのか
北海道的里山
アイヌ的里山
〈コラム2〉セントへレンズ山の湿原

第2章 湿原の機能──行きつく先は地球温暖化
湿原の物理的・化学的・生物学的機能
生態系サービス──モネの「睡蓮の池」
冷温帯に泥炭湿原は多い
湿原の泥炭は炭素の膨大な貯蔵源
生産力を知ることは炭素固定量を知ること
残された湿原
熱帯泥炭
地球温暖化を加速する正のフィードバック
湿原とメタンとCO2
〈コラム3〉シベリア・アラスカのツンドラ調査

第3章 湿原の遷移
遷移
極相──森林化とミズゴケ湿原化
攪乱──泥炭採掘地を例に
地下部探検隊
日本は火山大国──湿原にも影響するのか
永久凍土と湿原
タイガもツンドラもミズゴケが大事──森林火災とツンドラ火災
森林火災後の遷移
〈コラム4〉野外調査では何があっても動じない

第4章 湿原の保全
湿原保全に必要なツール──生活史を知ること
種子散布──植物が長距離移動できるのは種子の時だけ
埋土種子
成長・死亡
開花結実
タイガ・ツンドラ・泥炭地
〈コラム5〉西オーストラリアにて
種間競争と定着促進効果
食物網
鍵種と傘種

第5章 湿原の復元
「保全から復元」への考え方を確認
攪乱維持型の湿性植生
湿原の乾燥化──湿原の保全・復元の始まり
生物多様性
緩衝帯(バッファーゾーン)
回廊(コリドー)
地形的多様性──谷地坊主って何?
押し出し効果──絶滅危惧種の保全
復元の実践
〈コラム6〉ある調査中の出来事

第6章 日本の湿原(サロベツ湿原泥炭採掘跡地)
サロベツ湿原とは
サロベツ湿原の歴史
復元成果の評価
サロベツ泥炭採掘跡地の遷移
サロベツでもここまでは行けるかも
動物も菌類も遷移する
攪乱と中規模攪乱仮説
〈コラム7〉日本(北海道)の湿原

第7章 湿原の過去・現在・未来
冷温帯域湿原における復元実験
保全・復元の評価ができないと未来はつくれない
スケール依存性要因
自然との共存・共生
再生可能エネルギー(再エネ)との両立
自然再生の最終兵器──ビオトープ
持続可能性と湿原
環境教育(湿原の未来を見守るために)
〈コラム8〉湿原の過去・現在・未来

終章 湿原の豊かさを守る
生態学の応用だけでは保全・復元はできない
環境科学・地球環境科学の必要性
江戸の環境科学
SDGsと湿原
湿原再生の市民科学
SDGsを超えて(ポストSDGs)
最後の最後に──湿原オンリーも困るが
〈コラム9〉再生可能エネルギーと環境保全の両立

おわりに
参考文献
曲名索引
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろべると

9
著者は植物生態学を専攻する北大教授で、生年と血液型と左利きなのが私と同じ(私は中島みゆきのファンではないが)。特に北海道の湿原は泥炭地に形成され、巨大な水と炭素が貯蔵されている。明治以来札幌近郊の開発などで泥炭地は大幅に減少し、CO2排出の一因となっている。またミズゴケ湿原は生物多様性の宝庫であり、貴重な動植物が数多く生息する。本書はかなり専門的な内容も含むが、著者の気さくな人柄が感じられ、学生とともに湿原の神秘を探求し、保全に心を砕く著者の切なる思いが伝わる。湿原の重要性をもっと知らしめないといけない。2025/05/23

スプリント

7
保護ではなく復元が大事だがそれが難しい。2025/04/13

Go Extreme

3
湿原の機能:水質浄化 洪水調節 炭素貯蔵 生物多様性 生態系サービス 気候緩和 水資源管理 温暖化防止 CO2固定 メタン放出 湿原の脅威:農業開発 都市化 排水事業 泥炭採掘 気候変動 土地利用変化 外来種侵入 水位低下 生態系劣化 環境汚染 保全と復元:再生技術 ミズゴケ移植 水位管理 法的保護 地域参加 ラムサール条約 教育啓発 持続可能管理 政策整備 歴史と文化:信仰文化 湿原利用 農業転換 地域資源 歴史的背景 科学と未来:炭素収支 環境指標 生態系研究 復元理論 科学的根拠 知識共有 長期観察2025/03/30

エデン

2
大げさなタイトルと思ったが読んでみたら奥が深かった 生態系サービスの経済価値は他の生態系より高いらしい2025/05/11

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