内容説明
魔王ヤミは長引く戦争に疲弊し、勇者ルクスに「殺して」と願う。
だが勇者は孤独な少女を殺せなかった。
――ヤミは初めて恋をした。
ルクスは魔王の死を偽装し戦争を終結させた。
しかし二人きりの穏やかな生活は長くは続かず、ルクスは病死する。
失意の中ルクスの故郷に遺骨を届けると、そこには彼の面影を宿す弟のレイがいた。
行く当てのないヤミは、正体を隠しレイが営むアクセサリ工房に居候することに。
やがて魔王の魔法がアクセサリの持ち主に不思議な奇跡を招くと気づき――
勇者がいない世界で紡がれる再生の物語。
※紙書籍初版＆電子特典として、書き下ろしショートストーリー【レイのやきもち】を収録
詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください
＝＝登場人物＝＝
ヤミ
父の死後、幼くして魔王となった少女。
強すぎる力ゆえに、孤独に過ごしてきた。
ルクス
魔王を討つためにやってきた勇者。
戦後まもなく病死する。
レイ
ルクスの双子の弟。
アクセサリ工房を営む、腕のよい職人。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サキイカスルメ
15
戦争が終わるのなら自分を殺してほしいと勇者に願った魔王の少女ヤミと、勇者の故郷で1人アクセサリ工房を営んでいた勇者の弟レイの再生ファンタジー。ヤミは前魔王のお父様からも側近からも愛されていて、決して虐げられてはいないけれど、少しずつ親しい人がいなくなり孤独によって静かに絶望していった女の子なのかなと思いました。賑やかで温かい勇者の故郷、優しく受け入れてくれるレイ、争いしか生まなかった魔王の力で誰かに希望を与えられる、それでヤミが救われていくのがよかったです。勇者はこれを一番望んで弟に託したのかな。2025/03/21
ホシナーたかはし
14
優しくも悲しい「まおゆう」の派生。これ続編希望。2025/04/24
ぐっち
11
倒されなかった魔王と、死んでしまった勇者の弟が2人で暮らすことに。穏やかな2人と、村の暮らしが良いです。2025/04/19
CPT
11
「ある魔女が死ぬまで」最新刊の前哨戦。薄味なストーリーとブレブレのキャラクターが拙い印象だけど、優しい雰囲気がやっぱり超好き。ちょうど良い解像度でお祭りで賑わう町の雰囲気が特にお気に入り。2025/03/18
八岐
9
易しい物語でした。わかりやすく、優しくて弱くて勇気を出して。その分、奥行きがあまり感じられなくて、与えられた役割通りシナリオ通りの予定調和で、読み応えという意味では物足りなかったというのが正直なところでした。2025/03/15
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