内容説明
日本神話は、世界のどこの神話と比べても、面白いだけでなく、ユニークでもある。しかもその神話は、日本人のものの考え方や生き方などと、驚くほど深い関係を持っている。また、日本神話には、これからの世界の人々が、自然とも人間同士でも不必要な争いをせずに仲良く共存していくために改めて見直す必要がある、とても大切な知恵が含まれている。さらに、日本神話の中にギリシア神話とよく似た話が出てくる点も興味深い。本書は、日本神話の主な話を見開き1テーマという形でイラストや図を交えて紹介している。平易ではあるが、日本神話の核心部分に迫る内容である。構成は以下の通り。(1)オホクニヌシの成長とスサノヲ、(2)オホクニヌシの国作りとその完成、(3)イザナミと縄文宗教の母神、(4)アマテラスと日本人の心の母、(5)天孫降臨のあとに起こったこと。ギリシア神話に比べて、日本神話は手軽な本が少なく、本書はそのような意味でも画期的な一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菜花@ほのおかくとう協会門下生
13
神話ブームはまだまだ続きます。日本神話の流れだけを確認するつもりだったのですが、図らずも日本人の深層心理まで学ぶことになりました(笑)裏付けがあるので、内容もすんなりと入ってきました。ギリシア神話も同時進行で学んでいるので、両者の比較は特に楽しめました。欲を言うならば、神の名前を振り仮名付きの漢字表記にしてほしかったです。2013/04/10
菜花@ほのおかくとう協会門下生
11
スクナビコナくんの話が読みたくなったので、再読です。しかし、よくこの本を純粋に「面白い!」と流せたな、昔の自分よ。神話に男女の話が出てくるのは承知しておりますが、この人が書くとなんとなくベタベタしている感じがするし、句読点が独特です。前に読んだ本の人もそうだったので、昔に流行った書きで、だから私は読みにくいと感じるとか…?いや、福沢先生の本は、時代がかった読みにくさはあっても、日本語が変だとは思いませんし…。えっと、日本神話とギリシア神話の対比は面白いです。ただ、山田先生を超える神話解説をまだ見ていません2014/05/08
白義
6
日本神話学の大家による図解雑学本。さすがに入門書と言えどもあらすじだけではい終わり、ではなくオホクニヌシをメインに、それぞれのエピソードの象徴的な意味や比較神話学、精神分析的な考察まで盛り込んだ内容。特にユング派河合隼雄の母性原理論を中心にしながら、神々の王であるアマテラスが女性であることなどを日本神話の特徴にあげている。ちょっと俗流日本論っぽいけど、イザナギイザナミから神武天皇誕生まで流れと解釈を両方抑えているので図解本としての役目はかなり果たしていると思う2012/03/03
おくむら
4
この神様の、こんなことが知りたい!と思っている人には不向き。ただ広くそこそこ深く解説してくれてるので「へー。ふーん」と眺める分には面白いです。特に西洋との違いは興味深かった。2013/09/28
あい
1
わかりやすくて、諸外国の神話との比較も盛り込まれていて面白かった。文章だけで充分楽しめたので、見開き半分を使う図解の必要があったのかどうか。2012/09/29
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