内容説明
人生に行き詰まったミュージシャンの絶望と再生の物語。
10代の頃からミュージシャンを生業としてきた古舘佑太郎は、32歳でバンドを解散。自分自身も未来も見えなくなるなか、先輩のサカナクション・山口一郎に「カトマンズに行け!」と命じられる。そして追い出されるようにアジア放浪へ。
潔癖症かつせっかちで、そもそも旅が嫌い。バックパッカーなんてあり得ない。人生初めての過呼吸、27時間の越境バス、ゴキブリまみれの夜行列車、売人とボートレース、山岳地帯でバイク事故、潔癖症のガンジス川沐浴……。トラブルだらけの一人旅、日記を綴るうちに見つかったのは、思いもよらぬ己の姿だった。
〈あとがき〉山口一郎
***
「令和の深夜特急か? 猿岩石か? いや、そんなにカッコ良いもんじゃない。ただ彼は見つけた。何を? 永遠を! そう、古舘佑太郎は21世紀のアルチュール・ランボーなのだ!!(褒め過ぎ)」――大根仁(映像ディレクター)
「生まれ直すような旅路。苦難を乗り越えていく姿が眩しくて、人間味あふれる思考の流れが最高でした」――又吉直樹(芸人)
「旅に揉まれながら綴る?章を読んで、やっぱり本当に才能のあるヤツだと思った。最高だ」――サカナクション・山口一郎(ミュージシャン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
55
本人的にはものすごく大変だったろうなとよくわかるのだが、目の肥えた旅本読みにはその程度でなどと思わせてしまうけど面白い、絶妙なバランスで成り立っている旅日記だった。夢破れたミュージシャンが、バックパッカーとしてカトマンズに向かわされる日々を連ねたもので、まったく旅慣れていないので右往左往する姿と怒りの矛先が大変面白かった。あとがきにしかなかったけど、パトロンであり悪魔であった山口氏への罵詈をもっと読みたかった気がしてしまう。旅をしても人間は変わらないという真理が紡がれた本。2025/07/26
ショア
30
audible。古舘伊知郎の息子で都会っ子バンドマンがバンドを解散した結果サカナクション山口一郎の指示と支援でアジア放浪旅に出ることに。現代風深夜特急的ななんか骨のない感じの旅物語。先輩に行けと言われて受け身で旅してるからか。でも東南アジア各地で見舞われるトラブルと旅人として成長する様は旅物として面白い。9カ国の放浪をさらっと駆け足で一冊なのが勿体無い。苦難を乗り越えた経験からの達成感と充実感と肯定感は体感しないと獲れられないだろう。登山でも感じる。そして先輩山口一郎の後輩への愛と叱咤が素晴らしい。2025/08/18
やな
23
FM802を聴いていて、この本の存在を知り読んでみた。面白かったし、羨ましい気持ちにもなったが、旅に出たいとは思わなかった。ちょっと真似はできんな〜(汗)2025/05/02
ちゃんちゃん
19
バンドを解散した古舘佑太郎が、先輩サカナクション山口の命でバックパック抱えアジアを周遊しカトマンズまで行く話。行く先々の小さいエピソードが楽しい。後ろ向きな考えが徐々に変わっていくのも面白い。何も変わっていない、とのことですがきっと何かは変わっている。気軽に楽しめる一冊でした。2025/08/24
ズー
15
古舘さんのことは知らなかったのだが、旅嫌いのミュージシャンが無理やり旅に出る理由が知りたくて読んでみた。なんと!サカナクションの山口さんが金出すから行ってこい!と背中を押したとは。山口さんそんな人だったんだ。良い…。そしてボンボン?って調べたら、あの人と同じ苗字だなと思ったら息子だった😂なるほどね。で、この本すごく面白かった。2人のことが好きになった。私がこの中で行ったことあるのはベトナムタイカンボジアかな。今後の参考になりそう。私もどちらかというと好きだけど旅が苦手な所もあるので共感すること多かった。2025/05/27