内容説明
奈良の都、最大の醜聞
女帝×「日本三悪人」道鏡――許されぬ恋の真相は?
天平文化華やかなりし世に即位する孝謙天皇(のちに称徳天皇として重祚)は、「奈良の大仏」造立で知られる父・聖武天皇の後継者として、21歳で史上唯一の女性皇太子となった。皇位継承後、近臣・藤原仲麻呂に支えられ治世は安定しているかと思われたが……。
平城京が騒然とした皇室スキャンダルと、天智天皇以降の皇統の謎を解き明かす、中山義秀文学賞受賞第一作。
「女帝はみな、わが腹を痛めた子への橋渡しとして、帝の役目を果たしてきた。しかし、朕は違う。朕は朕のために玉座につく。この国で初めておのれのための女帝となる」(本文より)
【目次】
序章 神託
一章 うるわしの姫天皇
二章 弓削から来た禅師
三章 奴を王と呼ぶとも
四章 大枝の里の刺客ども
五章 東の国の空の下
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
39
“槐の上に、ふっくらとした二十三夜月が浮かんでいた。あの月のように、いつも唇の端でいざなうように笑った。道鏡禅師はよい男であった。” 思ってたのと違うんだけど…すごくかっこいいんだけど、道鏡。巻頭の関係系図がとても頼りになり、こんがらがらずに済んだ。女帝と道鏡の関わりは碌でもない印象しかなかったが、もしかしたらと心地よく世界に浸らせてもらった。皇位を巡る争いや陰謀は、執拗で息が詰まるようで、血筋が呪いのように阻んでくることが辛い。同じ奈良時代を描いた澤田瞳子さんの作品より、やわらかく読みやすい印象だった。2025/02/22
Shoji
29
時代は奈良朝、物語のヒーローは道鏡、ヒロインは孝謙・称徳だ。歴代天皇の骨肉の皇位争い、宇佐八幡宮神託事件の謎解き、藤原一族のしたたかさ、これらのドラマが綴られています。もちろん物語の中心は、孝謙・称徳と道鏡の二人の野望や権力闘争、色恋沙汰です。面白くもありましたが、反面、だらだらと長く、少々退屈な気もしました。読み終えて今、疲れたというのが正直な感想です。2025/02/06
虹色
26
奈良時代、聖武天皇の娘で二度にわたり王位に就いた孝謙天皇を中心に、それ以前の女帝や、道鏡法師の出自などを絡めた物語。関係系図に何度も戻りながら、政敵と血筋を確認していく読書でした。今までの道鏡のイメージとは異なり、本当にその設定だったらそうなるかもと。そして、淡い恋心ではすまされない皇室スキャンダルも愉しめました。2025/05/22
蒼
22
道鏡といえば天皇を陰で操った悪徳僧というイメージだった。いや、もちろん詳しく知りもせずに何かで読んだイメージそのままに思い込んでいただけたのだが、この物語はそのイメージを修正してくれる読書だった。がしかし、登場人物達の関係が難しく、親子、夫婦、叔父叔母、姪甥、異父異母兄弟、もうこんがらがって大変でした。2025/01/17
信兵衛
21
政争、皇位争いという展開の面白さに興奮しました。 周防さん、お見事です!2025/01/19
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