内容説明
モノノ怪・唐傘との壮絶な戦いからほどなく、再び七つ口に現れた薬売り。大奥では、奥女中たちを率いていた御年寄・歌山の不在をきっかけに、大きな変化が生じていた。叩き上げの御中臈・時田フキは相変わらず天子様の寵愛を独占するものの、新たな総取締役である大友ボタンの厳格な采配によって苦境を強いられることに。両者の溝が深まる中、フキに訪れたとある事態によって大奥にさらなる激震が走る。過熱する御家争いは、表の政治を巻き込み、数多の策謀によってフキを追い詰めていくのだった。時を同じくして、突如人が燃え上がり、消し炭と化す騒ぎが起きる。モノノ怪の仕業とにらんだ薬売りは事態の収拾に動くが、モノノ怪を斬るためには、退魔の剣が求める三様――形、真、理――を示さねばならない。薬売りは大奥に巣食う更なる闇へと足を踏み入れていく。映画では語りつくせなかった、フキの苦悩やボタンの葛藤を深堀りする、監督全面監修の公式ノベライズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
❁Lei❁
19
劇場版シリーズ2。今作は、大奥のトップに立つ二人の女性の物語です。天子様の子を身籠ったものの、上層部のジジイの思惑によって堕胎させられそうになる御中臈・フキ。そのジジイを親に持ち、上下の板挟みになりながらも気丈に仕事をこなす御年寄・ボタン。そんな彼女たちを取り巻く、不可解な焼死事件……。立場の違う二人だけれど、ともに腐敗した権力に立ち向かい、自らの信念を貫いた姿にあっぱれです。その強く燃え上がる情念には、胸が熱くなりました。本書を読んでいると、映画の圧倒的な映像美が甦ってくるようでした。2025/07/21
よみにゃん子
4
前作唐傘より全体的に分かりやすい内容だったのですが、それだけに訴えかけられるものが多く、いたる所で胸が熱くなりました。 ボタンとフキに主に焦点が当てられ、それぞれの思いが描かれた本作。前作での印象が私としてはあまり良くなかった二人でしたが、本作で覆されました。視点が変われば、彼女たちは善でも悪でもなく一人の女性でした。 薬売りの活躍シーンやおスズの話等、印象的な場面は多々ありましたが、母になったフキが父良路に子を産む決意を語る場面が一番心に残りました。 映画を見て小説を読んで、2度良い感動を味わえました。2025/08/05
Miyako Hongo
3
映画を見て、パンフよりは内容あるだろうと売店で購入(物語オタクは制作の内幕より設定資料が欲しい)。スタッフロールで延々ぐりぐり回ってた塔モデルに意味があった事が判明。最近のアニメは初見には意味分からない物を堂々と出してくるなあ。判んなきゃググれって感覚なんだろうか□モノノ怪シリーズは凝った画面の造りが面白くてシリーズは視聴したけれど、前の映画は未視聴。正体不明の薬屋が妖怪退治する話で、映画の舞台は大奥っぽい何か。なので主題は子供を巡る女(とそのお家)の争い。その影に大きな陰謀の気配、といった内容。 2025/04/15
こいこい
3
ボタン、フキ、坂下の心情描写による奥行きやシーン毎の演出変更や描写の取捨選択により、劇場版とはまた違った印象を抱く。小説版は出番が少ないながらもアサの存在感が際立っており個人的に大変刺さった。ラストの花火のシーンも情感たっぷりで余韻が大変良い。坂下滅茶苦茶好きになるね。2025/03/28
よねはら
3
大奥の中では、親と子の普通の情念すら許されぬもの。フキやボタンといった女性達の心情や過去は小説版の方が丁寧に描写されています。一方で老中大友の意向を「察する」周囲の表情や火鼠の強烈な圧を感じられるのは劇場版の映像表現ならでは。両方楽しむのが吉です。2025/03/20




