内容説明
人間に運命があるように本にも運命があるような気がする。それは著者の思いや願いを超えた、そして出版社の意図や計算を超えたものであるらしい。本書は幸運に恵まれた本なのだろう。
もう一つ感慨深く思うのは、本書執筆も後半にさしかかったころに急逝した母のことである。本書に多少パセティックな調子があるのは母の死が影響していると思う。私が高校生のころに父が亡くなって以来、女手ひとつで私と妹二人を大学まで出してくれた。私は母の亡くなった年令をとっくに超えてしまったが、年令を重ねるにつれて母への感謝の気持が強くなる。母も本書の完成を心待ちにしてくれていた。本書が幸運な本になったことを母も喜んでいてくれると信じたい。(本文より)
目次
はじめに
第1章 総合病院に赴任して
1 あわただしい時間
2 かげのない空間
3 歴史性と個別性の軽視
4 ふれることの少なさ
5 打ち明けることの少なさ
第2章 心身症の隠喩(ルビ:メタファー)
1 運命性
2 辺縁性
3 慢性性
4 内部と外部
5 「ふれる」ことをめぐって
6 心身医学―統合の試み
第3章 心身症の臨床
1 症例の検討
2 アレキシシミア
3 心身症と行動化
4 心身症と境界例
第4章 心身症の精神療法
1 休養の保証
2 病歴をとる
3 精神療法への導入
4 疾病モデルの提示
5 治療者の不安
6 患者の発狂恐怖
7 知的理解のすすめ
8 「ふれる」ことについて
9 「打ち明ける」ことについて
第5章 総合病院のなかの精神科医
1 精神科はどう見られているか
2 コンサルテーション・リエゾンの経験から
3 人工透析と腎移植をめぐって
第6章 心理療法の作法を語る―成田善弘×木村宏之対談
あとがき
再版にあたって ふり返って思うこと
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