山と溪谷社<br> 歩くという哲学

個数:1
紙書籍版価格
¥2,640
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

山と溪谷社
歩くという哲学

  • 著者名:フレデリック・グロ/谷口亜沙子
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 山と溪谷社(2025/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 720pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635350020

ファイル: /

内容説明

世界中に影響を与え、世界を動かした思想家、哲学者、作家、詩人の思索の多くは、歩くことによって生まれてきました。
歩くことは、最もクリエイテブな行為なのです。
また素晴らしいアイデアを出す歩き方にも様々なものがあります。
歩くことは、単なる機械的な繰り返しの動作以上のものであり、自由の体験であり、緩慢さの練習であり、孤独と空想を味わい、宇宙空間に体を投じることでもあります。

著者のフレデリック・グロが、哲学的な瞑想の連続を読者とともに探索しながら、ギリシア哲学、ドイツ哲学と詩、フランス文学と詩、英文学、現代アメリカ文学等の、著名な文学者、思想家の歩き方について探求します。
ソクラテス、プラトン、ニーチェ、ランボー、ボードレール、ルソー、ソロー、カント、ヘルダーリン、キルケゴール、ワーズワース、プルースト、ネルヴァル、ケルアック、マッカーシーらにとって、歩くことはスポーツではなく、趣味や娯楽でもなく、芸術であり、精神の鍛練、禁欲的な修行でした。
また、ガンジー、キング牧師をはじめ、世界を動かした思想家たちも歩くことがその知恵の源泉でした。

歩くことから生まれた哲学、文学、詩の数々に触れてみましょう。


■内容
歩くことは、スポーツではない

遅さ
やむにやまれぬ逃走の欲求(ランボー)
自由
孤独
孤独な歩行者の白昼夢(ルソー)
根本的なもの
重力
エネルギー
憂愁に満ちた彷徨(ネルヴァル)
歩行狂人
サイレンス沈黙/静寂
永遠道に撫でられる
なぜわたしはこんなによい歩行者なのか(ニーチェ)
充足の諸状態
感謝の念
野生の征服(ソロー)
反復
世界の終わり
宗教的精神と政治(ガンディー)
共に歩く――祝祭のポリティック
アブラハムの歩み(キェルケゴール)
巡礼の道
自己の新生、世界の新生
犬キュニコス儒派の歩き方
散歩
庭園
日々の散歩
都市の遊フラヌール歩者
神々が身を引いても、なお歩む(ヘルダーリン)
疲労を求めて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

64
歩くことは好きだ。随分前、山歩きをしていて、長い間中断していたが、昨年から再開。〇〇年の時間の流れがあっても、歩き方については、身体が覚えていた。と、再開して、歩きながら考えること・感じることが蘇ってきた気分。非日常の歩きでは特別かもしれないが、日常の歩きの中でも、ふと視点を変えると気づくことも少なくない。気づくと、自然と考えることになる。錚々たる人たちも、一人の人間として歩くことでいい時間を過ごしたのだ。2025/07/25

R

56
詩人や哲学者が愛した歩くという行為についての著述や、その思想を紐解いた哲学書。「歩く」の示すものが広範囲で、散歩だけではなく、山歩きや行進も含まれることで、政治的思想や社会学的な側面もつまびらかにしていて面白い。読んでいて、なるほどと思うことや、納得する場面も大変多いのだが、歩くという行為そのものに特別な意味を感じるかと思えば、それは動作の一つに過ぎないとする論調もあったり、大変多様で興味深かった。歩くを哲学するという言葉通りの本。2025/08/18

特盛

35
評価3.9/5。著者はフーコーの研究者のフランス人で、本書は歩くことに関する哲学的エッセイだ。歩くことで自分は自分自身を取り戻すことが出来る。また、自分を意識的に手放し空っぽの状態にすることが出来る。これらの両義的側面をルソーやソロー、ニーチェ、カント等様々な思索家が引用され、それぞれの生きざまにおける歩く行為の意義が語られる。単純な行為なのに深い。趣味の山歩きをしながらぼんやりと思っていたことが、言語化されて出会うのは嬉しい。出版元が山と渓谷社というのには、「やるなぁ」とニヤリとさせられた。2025/05/29

izw

16
「歩く」ことを様々な観点から考察している。狂気に満ちて歩き回って素晴らしい作品を残した詩人、作家、哲学者が大勢紹介されている。歩くことで日常から離れ、周りの風景、森や草原、山という自然だけでなく、都会の建物や群衆からも刺激を受け、自分の中の思考が熟成される。本の中に固定された堅固な知識ではなく、体得される別のタイプの知が求められる。ネットの発達によりますます軽薄な知識が飛び交く現代は、スマホを離れ、ゆっくり歩いて自分の奥底にある観念・概念・哲学をじっくり熟成させる時間が必要なのではないか、と気づかされる。2025/12/18

にこ

15
私自身、歩くことかわいい好きなのでこの本を手に取った。過去の偉人達が歩きながら何を考え、どのように生き抜いてきたか。翻訳も素晴らしく心に沁みる言葉が多い。 自分はどういう気持ちで歩いているんだろうと哲学的に考えることができた。ランボー、ルソーの箇所が気に入っている。ウォールデンやウォークスも読んでみたい。2025/10/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22426201
  • ご注意事項

最近チェックした商品